第29話「聖者の行進・我こそキング」

 一九八六年。
 音也との幸せな生活に違和感を覚えるゆり。このまま、母の仇であるルークを放って自分だけ幸せであっていいのか……。そんな時、音也は次狼から呼び出され、ラモン、力らと共にルークを倒すため協力を持ちかけられる。
 二〇〇八年。
 恵の弟・光秀が現れた。彼は恵を家に連れて帰ると言うが、恵は母の志を継ぎ、ルークを倒すまでは帰る気はなく……。

第一感想

 今週は麻生母娘とルークのターン!
 チェックメイトフォーのキングを目指す阿鐘/ウォートホッグファンガイアもインパクトは強かったが、ある意味で完全に添え物に……。インパクトはあったんだけどね……。
 そして阿鐘が添え物なら、キバも添え物と言う事に……? いや、考えるのやめよう。カーズの如く(何)。
 以下感想。

蜜月に忍び寄るロード

 デレデレ状態な渡と深央。渡は「キバ」ではなく「紅渡」として戦う理由ができただけに、毎日の生活にも特にハリが出ているように見える。深央もデートに新しい靴を買ってくると、暗い二人に明るい光が差してきたように見える。
 しかし、渡には人生二人目の友達・健吾の指が動かなくなっている事。深央にはクイーンとして、キングと結ばれる。と言う暗い影が迫っている。
 ファンガイアのせいで傷ついた友。しかし深央を受け入れようと思えば、そのファンガイアを受け入れなければならない。深央と結ばれたいと願うのなら、特に渡は、受け入れるどころか「ファンガイアの王」に名乗りを上げなければならないのだ。
 だが、今回二人に忍び寄るのは、それよりももっと無力で、しかし実際的な脅威である。その名は静香。
 レジェンドルガのロードも真っ青な角を装備して、二人の関係をひたすら妨害しようとする静香。最近出番がないと思ったら、久々の出番がこんな役……。何て言うか、その……頑張って下さい。色々な意味で。

キングを狙う男

 チェックメイトフォーのキングとなるべく、未来を見通す人間だの何だの、超能力を持つ人間を手当たり次第に抹殺する阿鐘。
 この行動を見るに、チェックメイトフォーとして覚醒する人間は、通常のファンガイアと違ってその自覚を持っていない人間として成長するようだ。紋章が生じ、初めて自分の存在と役目を理解する……。そういう事なのだろうか。しかしその能力の片鱗は超能力として発揮されている事が多く、それを頼りに阿鐘は人間を襲っているようだ。
 デザインだとか、その強さは、まさにキングを狙うファンガイアとしてはインパクト抜群だ。今後、退場した糸矢に代わり活躍してくれるのだろうか。
 それにしても、『仮面ライダー剣』の時にも、この時期に登場したよな、「キング」。あっちは本物だったけど(笑)。

光秀

 うむ、本能寺で裏切りそうな名前だ(ヲイ)。きっと学生時分には、それが理由で友達からからかわれたりしたのだろう。世のお父様、お母さまがた。お子様のネーミングはちゃんと考えてあげてネ☆
 そんな事はおいといて。
 恵の弟・光秀が登場! もちろん気になるのは、本当に血のつながった弟なのか? と言う事。

  • 実家が呉服屋。
  • どことなく感じる距離。
  • 「母さん」象に感じる違和感(恵を女らしく育てたかった)。

 等等。
 もしかしたら、ゆりと音也の間の子どもが恵で、その後呉服屋と結婚して、その間に生まれた子どもが光秀だとか……。まぁ、そんな妄想は置いといて。

素晴らしくタチの悪い青空の会

 素晴らしき青空の会は、ほんとにタチが悪い。金は貰う。恵は返さない。後は有耶無耶。嶋、そんな所ばかり優秀で……! 前回の警察騒動はどうした!?
 ところで、渡が真夜の息子だと名護が知ったらどうする気だろう。さよならした初恋と相まって、変な方向に暴走する気もするが……まぁ、名護が正しい方向に向かったことなどないので、別にいつも通りと言えば通りなのだけれども。

居候達

 キバットタツロット、すっかりお風呂場に浸食だ。
 渡が男だからいいものの、これが女だったら、おそらくキバットタツロットとの間で壮絶な戦いが繰り広げられていた所だったのだろう。
 そして男の友情が発動し、一緒になってのぞき始める。に一万円(何)。

違和感

 音也と同棲を始め、なんでもない幸せな日常を過ごすゆり。しかし、そんな生活に違和感を感じ始める。母の仇であるルークを放置したまま、こんな生活を送っていていいのだろうか、と……。
 最終的にゆりが戦士として生きる事が確定しているだけに、この幸せな生活は見ていて切なくもある、尊きもあり。
 一方で、こんな生活を守るため、次狼の提案に応じる音也が男だ。

馬鹿ばっか

 ルークに単身挑み、あっさり敗北する次狼。これではいかぬと、ラモン、力、そして音也。彼ら三人の力を借りて、数に任せてルークを圧倒する作戦を立てる。 
 いや、その、何て言うか……。無理だろ。
 そも数に任せて真正面から攻める、と言う時点でダメだろう。下手な罠なんか通じないなら、数を活かしての消耗戦に持ち込むなりもうちょっとヒネった作戦を立てればいいのに。数で勝てるならウルフェン族は全滅させられなかっただろうに。ゆりにフラれて、ちょっと大変な事になっているのかも知れない。

ルーク対麻生母娘

 過去と現在で、ルークと戦う麻生母娘。しかし、その実力差は圧倒的で……。正直、この母娘が勝てるはずもない。各時代のイクサを使えば、まだ何とかなるかも知れないが……。だが重要なのは、幸せな「家」よりも、厳しい「戦士」としての生き方を選ぶ、その事なのだろう。勝ち負けは、今はまだ問題ではない。
 そのルークだが、現在で異常が発生している。もはやすべきタイムプレイも無く、体にも異常が発生し始めた。その上、「天国に行くためにいい事をする」なんてイカれた事を言い出し始める。
 阿鐘しかり、まともな感覚なんて持っていないファンガイアだが、ルークの場合群を抜いている。それだけに、いったん「いい事」をしようと思えば、際限無くいい事をしそうで怖いな。

次回は

 つ、ついにキバの正体が明らかに!?