最終話「Eにさよなら/この街に正義の花束を」

 以下感想。

第一感想

 やられたー!
 初見時、時系列トリックに見事に引っ掛かってしまった(笑)。一話分しか無くても、ちゃんと最後まで二つで一つだった。
 と言うわけで、感想は時系列通りに。

(翔太郎から見て)一年前

 フィリップ消失〜フィリップ復活まで。

若菜の目覚め

 加頭から取り戻された後、病院で目覚めた若菜。地球の記憶を流しこまれた影響からか、ドーパントに変身しなくても能力が使用可能となる。これは、メモリの毒素の影響で体に悪影響が出る事と逆のようで、同じ現象だよなあ。
 しかし変身していないためか、本人の消耗からか、あっという間に息切れに。

竜の変化

 最初こそ、風都を腐った街と吐き捨てていた竜。しかし今ではそんな過去無かったかのよう。風都が汚れていると言う若菜に対し、「そう思うのは、若菜の心が歪んでいるからだ!」と言い放つ。竜の変化がうかがい知れる場面である。

言っちゃったー!

 翔太郎が迂闊すぎる……! さすが、完成されたハーフボイルド。

シュラウドの死

 熱中症ですね、分かります(ヲイ)。
 しかし真面目な話、メモリ絡みの要因で死亡した、と見た方がいいのかも知れないが。プリズムビッカーみたく、シュラウドがメモリの力でアイテムを一発生成していたとして、それが自分の命を削るような事であったのだとしたら、それによるダメージで……と言う事なのかも。

若菜なりのガイアインパク

 彼女が選んだガイアインパクトの方法は、自らと引き替えにフィリップを蘇らせる事。
 最後の最後、穏やかな園咲家集合の画は、何と言うか和むと言うか、心温まるの一言。しかし、冴子と若菜、姉妹の仲が良かったりするのは何だか不気味だし、園咲パパの物言いは、前とさして変わっていない所が怖いと言うか何と言うか(台無しじゃねーか!)。
 ここから、若菜の体がエクストリームメモリに変化。フィリップの意識は地球の記憶の中から送り出され、肉体復元のため一年の月日を待たねばならなかったのだった……。つまりは十月十日的な意味ですね、分かります。
 姉から再び生まれ直したともとれるし、姉の命と引き換えに蘇ったとも言えるフィリップの復活劇。いい話なんだけど、やっぱりフィリップは魔少年なんだなー、と設定を再確認したシーン。 

(フィリップ消失から)一年後

 左翔太郎の憂鬱。

ペットショップ

 サンタちゃんがペットショップの店長!? サンタちゃん、一体何があってそうなった(笑)。
 キャットフードを買っていると言う事は、ミックはまだ元気って事なのか。しかしそれにしても、高そうなキャットフード買ってもらってるなw
 この一年で「街の顔」とまで言われるようになった翔太郎だが、その実、フィリップがいない事でそうとう負担がかかり、そろそろ限界を迎えていた時期でもあったようで、気弱さが半端じゃない。とは言え、こういうウェットさは、いつもの翔太郎と言えば翔太郎なのだが。しかし、ホワイトボードにフィリップが最後に書いた文字を消せない辺り、ハーフボイルドを通り越してもはや乙女である。

青山晶

 何と言うオープンなハーフボイルド……!!
 こういう恥ずかしげも無く、自分は未熟です。他人の助けが無いと何もできないんです、と言ってる晶を見ると、翔太郎がいかに頑張ってるかが分かると言うもの。
 厳しい現実を前に、これ以上傷つきたくないと逃げ、やせ我慢を馬鹿にしていた晶が、覚えたてのハーフボイルドで姉を助ける為に奮闘するまでになる。
 子役の人は、以前幼少期の翔太郎を演じた人。現在と過去の翔太郎の対比が抜群で、辺り、キャスティングの狙いっぷりが素敵だ。

EXE

 ミュージアムに代わり、新たにガイアメモリを売買する組織。とは言え、その規模はミュージアムとは比べ物にならないほど小さいもので、お世辞にも「組織」とも言えない規模。
 過去、ミュージアムが作ったメモリを回収して売買するだけの組織で、組織のメンバーもドーパント。しかもほとんどメモリ中毒になってる様子。
 エナジーがヘッドになれていたのも、エナジーが強いからじゃ無くて、手下どものレベルが低かった……と言うのがあったからかも知れない。

仮面ライダージョーカー

 劇場版に続き、仮面ライダージョーカーが登場! こちらは、通常の純正型ジョーカーメモリでの変身バージョン。そのせいか、初代的な効果音が無い(笑)。
 ジョーカーの他にも、メタルやトリガーメモリを使って仮面ライダーメタル、仮面ライダートリガーにだって変身できるはずだが、そこはやっぱり、ジョーカーなのか。

エナジードーパント

 オンリー・マイ・エナジードーパントですね、分かります(何)。
 まさかのペットショップの店員が変身するドーパント。EXEの他のメンバーのレベルの低さに比して、比較的理性も保っているし、エナジーメモリの力も強力そうなので、結構レベルの高いドーパントの様子。まだミュージアムが存在していた時に、ちゃんとサポートを受けていた、最後の世代のドーパントなんだろうなあ。
 だと言うのに、最後の最後は忘れられてぼこぼこにされてあっさりメモリブレイク(笑)。ドーパントの姿で罪を数えさせてもらえなかった、初のドーパント

そして、探偵は二人で一人

 復活したフィリップと共に、ダブルに変身する翔太郎! 翔太郎、ロストドライバーの他にダブルドライバーもちゃんと携帯してたのかい(笑)!
 サイクロンジョーカー→ルナトリガー→ヒートメタルと、基本フォームの連続ハーフチェンジとジョーカーエクストリームの連続攻撃! 全ハーフチェンジは劇場版で!
 ダブルの復活と、何より最後の決めセリフの流れが最高過ぎる復活劇!
『W』のストーリーの締めが、「さあ、お前の罪を数えろ!」なのが最高過ぎる……!

総評

 今更なので簡単な総評を。
『ディケイド』後、新たな一〇年の為の『仮面ライダー』その第一作となった『W』。
 複眼、マフラー等と言ったいかにも仮面ライダー的な記号と、平成以降のフォームチェンジ、パワーアップ等の新しい要素が、昭和的な探偵ドラマの中で素晴らしいマッチングを魅せてくれた傑作だったと思う。 
 新たに劇場版も公開決定している事だし、まだまだ『W』は終わらないが、まず本編はこれにて終了。スタッフ、キャストの皆さま、お疲れさまでした!
 ところで、『W』は『電王』みたく延々と続いてくれても……。や、蛇足でした(苦笑)。