『仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ』
第一感想
いい映画だったー!
それぞれのキャラクターの魅力が十二分に引き出された素敵過ぎている一作。こんな風にがっつりアクションをやっている仮面ライダーも、珍しいと言えば珍しいのかも知れない。
監督が同じだから、観ている途中、「これ何て『仮面ライダーバトル ライダー風都伝説THE MOVIE』?」とか思ってしまったのは内緒だ。
以下ネタバレ有り感想。
オープニング
いきなり大道克己が財団Xの輸送ヘリに飛び移り、T2ガイアメモリを強奪する所からスタート!
外国人のヘリパイロットが「KAMEN RIDER」とか言うのが狙いすぎてて噴いたw
エターナルメモリは強奪したものの、他のT2ガイアメモリは自爆装置の効果で風都中にばらまかれる事に。ここから、NEVERの面々のメモリ探しも始まった。
マントをたなびかせて風都タワーを見つめるエターナルの姿が、本編OPのダブルと対照的で唸った。
風都カップル伝説
今回の劇場版で困るのが、竜と亜樹子。亜樹子が竜にモーションかけるのはいつもの事ながら、今回は妙に竜が積極的!? え、これ何!? まさか、まさか竜、そういう事なのか!? そういう事でいいの!?
ところで、ふうとくんと一緒に写真を撮ったカップルは永遠に結ばれるなんて噂が立っているのにはちょっとびっくり。霧彦も、冴子と一緒に撮っておけばよかったのに……(ヲイ)。
T2ドーパント軍団(風都市民編)
自分から適合者を見つけ出し、勝手に挿入して人間をドーパントに変えると言う恐るべきT2ガイアメモリの効果により、風都市民がドーパント化し暴れ回る。
フィリップの前に現れたのは、バイオレンスにアイスエイジ。そして竜の前に現れたのは、因縁のウェザーとナスカだった!
ダブルはルナジョーカーのマキシマム、ジョーカーストレンジで。アクセルサイドはバイクフォームでのマキシマムを披露してそれぞれ撃破。前者はともかく、後者はあっさり過ぎるような気もするが、そこは井坂先生や霧彦じゃないので致し方無しか。中身、ウォッチャマンにサンタちゃんだもんなあ(笑)。
フィリップの突撃
親子連れを守る為、T2ドーパントに突進するフィリップにきゅんっ! これまでのフィリップからでは到底考えられない行動だけに、彼の考えの変化が伺え知れる行動だった。
マリア・S・クランベリー
凄い名前だ……(笑)。それはともかく、拳銃を連射しながら颯爽と現れる姿が美し過ぎる……! さすが中の人の効果は侮れない。
彼女の仕草から、フィリップは彼女こそ素顔のシュラウド=自分の母親ではないのか? と疑う事になる。さすがに、あんな仕草だけで騙されないだろ……と思うものの、フィリップ本人は記憶を消されている為、母親の顔すら覚えていないので仕方がないのか……。
T2を探せ
マリアからの依頼を受け、風都中に飛び散ったT2ガイアメモリを集め始めた翔太郎達。小さいなので骨が折れそうだ、何て言ってた割には、結構な数が集まっているのは流石の実力か。
そんな中、女子高生ルートでクイーンとエリザベスが回収して来たメモリは、「A」と「K」と「B」のメモリ……。何かこう、メモリの数が26じゃなくて48ありそうな(笑)。
そしてクイーンはクイーンメモリと引き合い、あわやドーパントになりそうにw
メモリと適合者は引き合うと言うが、クイーンはメモリにも認められたクイーンなのね(笑)。
NEVER
不死身の最強傭兵軍団として、劇場版の敵役を務めるNEVER。どいつもこいつも一癖も二癖もある個性派揃いな連中だった。と言うか、約一名濃すぎるのが……(苦笑)。
凶悪な戦闘能力と、殺人を何とも思わず実行するその冷酷な姿。おまけに、使用するメモリはすべてダブルと同じもの! ダブルのメモリがドーパントになったらどんな姿になるんだろう? と誰もが想像する事だけに、それだけとっても魅力ある悪役連中だった。
大道克己/仮面ライダーエターナル
傭兵軍団NEVERのリーダーであり、本作最強最悪の仮面ライダーエターナルとなる克己。
変身後はファングジョーカー、CJXをも上回る戦闘能力を誇り、全てのT2メモリを使いこなす。なおかつ、使用するエターナルメモリは、マキシマムを発動するとT2以前のメモリをすべて使用不能にすると言うまさにチート能力の持ち主である。
そんな克己は悪役の中の悪役で、劇中、最後の最後まで改心する事無く悪役として散って逝った姿が印象的である。
そういう悪役街道まっしぐらな克己だったが、自分が生きた死体=NEVERとして存在する孤独から、エクスビッカーで風都の住人を全てNEVER化しようとすると言う一面も。ダブル、アクセル。そしてスカルとは対照的な生き様を体現したキャラクターだった。
羽原レイカ/ヒート・ドーパント
NEVERの悲哀を背負うもう一人のメンバー。しかし克己に最後は見捨てられ、NEVERが背負う宿命を一番最初に体現したキャラクターとなってしまった。
そんな彼女が変身するのはヒート・ドーパント。彼女が低体温にコンプレックスを持っている、と言う設定と相まって、人とメモリの運命的な面を強調する部分も。
堂本剛三/メタル・ドーパント
もうコイツ、ドーパントにならなくたっていいんじゃないの? てな感じのキャラクター。だって生身でメタルシャフト叩き落としてましたよ……?
翔太郎曰く「マッチョマン」なコイツが変身するのはメタル・ドーパント。金槌を持っていたのは雑誌のスチルで知っていたが、鉤爪型の武器を備えていたのが個人的にはビックリ。しかも使ったの一回きりだったし……。
泉京水/ルナ・ドーパント
キャラが濃すぎて、逆にキャラに人が喰われてるんじゃないの? とすら思ってしまったキャラクター。でも、自分、そういうの、嫌いじゃないわ(笑)!
変身するルナ・ドーパントは、両腕の伸縮からマスカレイドとバイクの分身生成等、トリッキーさがキャラクターとマッチした、まさに運命的な組み合わせ。
最後の倒されるのも、ダブルじゃ無くてオーズ、と言うのも、コイツらしい最後だったかも知れない。
芦原賢/トリガー・ドーパント
ボウケンシルバー! ボウケンシルバーじゃないか!
そんなコイツだったが、セリフが「ゲームスタート」「ゲームオーバー」くらいしか無かった気がする(笑)。
劇中ではトリガー・ドーパントに変身し、アクセルと度々戦いを繰り広げる。最初、アクセルの装甲に手持ちの火器が通用しなかった時、一瞬気に食わなそうな感じになったので、そこから勝手にライバル認定されちゃったか? 竜?
プロフェッサー/サイクロン・ドーパント
フィリップやダブルを度々助ける謎のドーパント。それがサイクロン・ドーパント。しかしてその正体は、NEVERのナンバー2と言えるプロフェッサーこと、マリアその人だった。
克己の母であり、なおかつフィリップの精神的な母ともなったキャラクターで、女優オーラの高さが凄かったキャラクター。特に最初の拳銃を連射しつつ、帽子とサングラスを外すシーンは感嘆もの。
変身するサイクロン・ドーパントは、フィリップに寄ったデザインなのが面白い。
そう言えば、彼女を始め、NEVERのドーパント組は皆、生体コネクタ処置を事前にしていた模様。T2メモリはコネクタ無しでも変身できるが、それでもやはり、コネクタ処置をしていた方が都合がいいらしい。
幻のスカル
エターナルへの敗北。マリアの裏切り。NEVERによる風都タワー占拠と、最後のT2メモリにかけられた賞金……。
混迷を極める風都。しかし、街を守るべき仮面ライダー達は変身能力を失い、翔太郎とフィリップは喧嘩別れ。その上、フィリップはその後克己達に拘束されてしまう。
そんな時、事務所に戻った翔太郎の前に現れたのは、何と仮面ライダースカル……おやっさんだった!
おやっさんは、翔太郎にフィリップが暴走した原因を示唆し、その後ロストドライバーを残し消えてしまった。
しかし、このおやっさんはなんだったのか。
- 翔太郎が見た幻
- 本物のおやっさん
- シュラウドが寄こした何者か
等等色々考えられるが、恐ろしく妄想を掻き立てられる一幕だった。それにしても、たったあれだけなのにおやっさんの存在感ハンパ無いぜ……!
仮面ライダージョーカー
事務所に運命的に飛来していたT2メモリ「JOKER」とロストドライバーで翔太郎が単独変身したライダー。
ダブルからフィリップ成分を抜くと、途端に翔太郎イズムが溢れるライダーになった事に、笑うやら呆れるやら、な仮面ライダー。
BLACK風な変身ポーズ! 効果音がライダー1号! マキシマムはライダーキックにライダーパンチ! と、途端に昭和帰りな仮面ライダーになってしまった。
ジョーカーメモリの「技の戦士に変身者を変える」能力と、翔太郎の真正面から攻めるスタンスが相まって、ビジュアルは平成なのに、中身は昭和の熱血ハーフボイルドライダーだが、それがよかったり。
メタル・ドーパントとの戦いの時の、「ウガー!」とか、翔太郎そのまんま(笑)。
決戦の前に
翔太郎と竜、いよいよ風都タワーに乗り込むぜ! と言う前の男と男の誓い。この時のシーンが実に熱い!
おまけに、竜の亜樹子へのあの頭なでなではなんじゃー!? お前ら、思いっきり両想いじゃねーかこんちくしょう!
ダイハードマン
いよいよ風都タワーに突撃する翔太郎と竜! それにしても、翔太郎はジョーカーに変身できるからいいけど竜はどうすんの? と思っていたら、まさかのエンジンブレード一本で突撃でした。ええっと、どこのヤクザの出入り?
いや、「俺に質問をするな!」の使い方が最高にカッコよかったから別にいいけど、エンジンブレード一本で突撃って、流石に自殺行為過ぎやしませんか。さすが死なない男、照井竜……!
エクスビッカー
NEVERが風都市民を総NEVER化するために用いる最終兵器。補助回路としてフィリップを必要とする所が欠点と言えば欠点だが、二六本同時マキシマムなんて無茶をやるんだから、それくらい必要だろう。
これに限らず、NEVERの面々はミュージアムが独占研究しているはずのガイアイメモリ装備がやたら潤沢だが、そこは財団Xから奪い取ったのかな……?
エクスビッカーに接続され、道具として利用されるだけのフィリップだったが、そこは怒りの力で逆転のフラグ。フィリップが逆にデータを書き換え、エターナルメモリの力を無効化すると言う逆転劇を見せた。
「思いきり……振り切るぜ!」
エンジンブレード一本で戦っていた竜だが、フィリップがエターナルメモリの力を無効化した瞬間、響くアクセルメモリの咆哮! 竜とアクセルメモリもまた、運命的なコンビだと知らしめる一幕。
ここからアクセルに変身し、トライアルに変身する時、エンジンブレードを放り投げるのだが、そこでしっかりエンジンブレードが後ろの手すりをぶっ壊しているのが芸が細かくて素敵だ。
オーズ、参戦
ルナ・ドーパントの横やりの最中、転がって来たのは一枚のメダルと、それを追いかける謎の青年。そして青年は、ドライバーとメダルで仮面ライダーオーズに変身する!
もう皆ツッコミ入れ飽きた頃だろうけれど、あえて言わせていただきたい。何だその歌wwwww
上下三色のライダーで、メダルを入れ替え→スキャンと言うプロセスが面倒臭いかな? とも思ったが、回を重ねる毎に慣れるだろうなあ、それも。
ダブルVSエターナル
「さあ、お前の罪を数えろ!」→「今更数えきれるかあ!」の受け答えはよかった……(感動)。
エクストリームでまた戦うが、やはりメモリの数が違いすぎて不利なまま。と言うか、二六本同時マキシマムをライダー単体で使用可能とか、ちょっとズルすぎだろう! ダブルだって四本連続が限度だと言うのに……。
エターナルはマント有りもかっこいいが、マントが無くなると、あからさまに軍隊色が強くなってまた別のカッコよさがあるなあ。
誕生! サイクロンジョーカーゴールドエクストリーム
エターナルの圧倒的な攻撃力を前に、切断された風都タワーの風車ごと地上に落下していくCJX。
しかし、そこで亜樹子の、これまでの依頼人達の。そして風都市民全ての人々の祈りと風を受け、CJXがさらにパワーアップ。サイクロンジョーカーゴールドエクストリームとして最終進化を遂げ、エターナルを撃破する!
エクストリームメモリには風を取り込んでパワーアップする、と言う設定がほんとにあるから困るw ツッコもうにも、こんな雰囲気、下手な事言えないよ(笑)!
それでも下手な理屈をつけるなら、風都市民の感情がたった一人(=この場合ダブル)に集中する事で、直結している地球の記憶が活性化し、ダブルがパワーアップ。マフラーのデータを進化させて翼を作り出した……と言う所だろうか。
その頃の、園咲パパ
今回は敵役がNEVERだったため、ほとんど出番が無かったミュージアムサイド。メモリを無力化され、若菜が焦っていても、園咲パパが余裕だったのは、ミュージアムが泉を握っていたからか……?
エピローグ
亜樹子、カメラ目線禁止wwwww
最後の最後で、「フィリップ→ちょっと大人になった」「翔太郎→早く大人になりたまえ」って酷いw
戦いはMOVIE大戦へ
エターナル率いるNEVERとの死闘。そしてミュージアムとの戦いを経て、真の完結は冬の劇場版で?!
本編も綺麗に終わっただけに、どういうシナリオとなるのか、そしてオーズとの絡みはどうなるのか……興味深い。財団Xとの決着をつけるシナリオになるのかな?