『劇場版 炎神戦隊ゴーオンジャーVSゲキレンジャー』

第一感想

 祝! スーパー戦隊VSシリーズ劇場公開!
 いやぁ、もうニヤニヤニヨニヨしながら観てきたヨ! 楽しかったー(テンションおかしい)!
 しかし、この劇場公開が映画『ふうけもん』の上映中止に伴う代替措置だったって観た後に知った無知な自分。まぁ、丁度一五作目と言う節目の作品だったし、ちょうどいんじゃなね!? と無駄にポジティブに考えよう。うむ。
 そして感想が『ゲキ』寄りに(汗)。
 それでは以下ネタバレ感想。

ストーリーの時系列

 今回のVSシリーズは、『獣拳戦隊ゲキレンジャー』は修行その49以降。『炎神戦隊ゴーオンジャー』では、GP-33〜36の間に挿入されると思われる。理由として『ゲキレン』サイドでは、

  • 今回の事件で再び『ゲキレン』メンバーが再会した事になっている。
  • 理央とメレが死亡している。
  • 慟哭丸にロンが封印されている。
  • 臨獣トータス拳のメカは臨獣殿の残党である。

 等から。
『ゴーオン』サイドからは、

  • ガイアークの三大臣の内、ヨゴシュタインが未だ生存している。
  • 古代炎神達が仲間に加わっている。

 等から。
 とりあえず、今までと変わらないノリのヨゴシュタインに再会できて嬉しい(笑)。

二大戦隊の出会い

 初っ端から、ゲキレッドVSヌンチャクバンキのヌンチャク対決! ゲキレッドと言えばヌンチャク! なので、この辺りのチョイスは流石と言わざるを得ない。
 その後トライアングルと合流。久しぶりながら依然と劣らぬコンビネーションを見せる。しかし「正義のパワーが半分になる空間」にトライアングルは流されてしまう。
 そしてやって来たゴーオンジャーを敵だと勘違いしたゴウとケン達も異空間にやって来て、ゲキレンジャーゴーオンジャー夢の一〇人共演バトルのスタートとなる。
 片やゲキレンジャーは拳法戦隊と言う一種のプロフェッショナル。片やゴーオンジャーはメカニック戦隊と言う名の寄せ集め(コラ)。
 使用する武器やスキルが被っていないので、両戦隊のアクションシーンが結果としてバラエティに富んだものになっていて面白かった。

ジャンの言葉の重み

 ヌンチャクバンキに炎神ソウルを奪われ、人質にされてしまう炎神達。慟哭丸と交換するよう要求され、ジャンはそれに応じる。
 この時のジャンの、「慟哭丸はまた奪い返せるけど、炎神達の命は喪ったらそれまで」って感じの事を言うのだが、ここら辺、ジャンの経験を思い返すと「重い」言葉である。ロンのせいで両親もライバルである理央も喪ったジャンだからこそ言える言葉だ。

獣拳との遭遇

 ヌンチャクバンキから慟哭丸と炎神ソウルを取り返すため、走輔達はゲキレンジャーに修行を志願! そんな事で、スクラッチ社へとやって来たゴーオンジャー
 真咲母娘が組み手をしている際、放たれた激気を見て「自分も出せるかな?」とばかりに走輔が激獣拳の真似をしている姿がおかしいw
 そして、VSシリーズ恒例の、「恐竜や」リンクもアリ。今回のリンクは、美希と範人。範人が恐竜やでバイト(!)していた時に、ナンパしたのが美希だったと言う。いや範人、その人、人妻だからね(笑)。いや、本人も驚いていだけれど。つくづく範人は年上好きだなぁ。そんな範人を、軍平は大好きなわけだけどw
 あとマスター・シャーフーがさらっとセクハラ(笑)。まぁ、本物の猫もそんなもんだけどね(苦笑)!

修行開始!

 ゲキレンジャーゴーオンジャーがそれぞれ三組に分かれ、それぞれに修行開始。三者三様の修業だが、トライアングルの個性を重視した修行内容にニヤリ。

ジャン/走輔

 ジャンと走輔ペアの修業はぞうきんがけ! ジャンと言えばぞうきんがけ。激獣拳と言えばぞうきんがけと、『ゲキレンジャー』の王道修行。
 しかしそのぞうきんがけは、クラッチ社ビルの窓を下から上に向かって拭く、と言う荒行だった!
 ちょwwww重力シカトwwwww
 スクラッチ社の社員がさっぱり驚いていない所が、逆に怖い。そうか、ああいう修行は日常茶飯事なんだなぁ。まぁ、動物がお偉いさんだもんなw

ランとケン/早輝と軍平

 ランとケン/早輝と軍平はランの突き修行。ケンが落とす枯れ葉を全部掴み取る修行。
 もちろん、枯れ葉を落とすのはケンの役目。こうやって何も言わず裏方に回る所なんか、ケンがスクラッチマイスターズで働いている事の一つの理由でもあると感じる。

レツとゴウ/連と範人

 レツとゴウ/連と範人の修業は、ピアノを弾く事。しかも、足の指で!
 レツの華麗なテクニックつながりの修業だが、ゴウも弾けるのだから驚きだ。さすがアイアン・ウィル! 滝をも逆流させる男である。
 さらっと兄弟共演である所も見逃せないつながり。二人して連と範人の修業を優雅にお茶しながら見守る所が絵になっていてちょっとムカつくw

ゲキレンジャーの成長

 修行その49で、マスターとして次代の拳士を育てる役目を担ったトライアングル。その成長が、コーオンジャーを見守る姿に現れている。
 まるでマスター・シャーフーのように、走輔に修行を強要する事無く、走輔の心を大切にするジャン。
 修行を楽しむ事、好きになる事を諦めて座り込む早輝と焦る軍平に伝えるラン。
 イチョウに顔なんか書いて、笑顔を引き出すケン。
 バット・リーから教えられた頭を空っぽにする事を伝え、連と範人の二人を導くレツとゴウの深見兄弟。
 マスターとして、教える側として成長したゲキレンジャーの姿にニヤニヤニヨニヨしっぱなし。特にジャンのマスターとしての成長っぷりは特筆べきものがある。個人的には、あの理央似の少年とのエピソードをぜひ観たいところだ。

会得!炎神拳

 獣の力を感じ、獣の力を手にする拳法が獣拳。そして心に獣を感じた時、湧き上がる力が激気。
 そして相棒であるムニムニの炎神達を助けたいと思う走輔達の心から激気がわき出せば、当然、形作られるゲキビーストは炎神の形をしているのだ! ゴーオンジャー、ここに激獣拳ならぬ炎神拳をマスター!
 走輔達と炎神達の絆は本編でもしっかり描かれていただけに、この描写は十分納得させられた。
 そして、走輔達のゲキワザ(?)の名称にも。アレ、思いっきりその場のノリだろう(笑)。

今作のゴーオンウイングス

 ウイングスは炎神拳を会得せず、修行にも不参加。それと言うのも、すでに二人は獣拳を学んでいたから! 幼い頃、拳聖ゴリー・イェンに学んだと言う二人。うわぁ、ありそうwwww
 特にゴリーはインテリタイプなだけに、家庭教師とか引き受ける事もありそう……と妄想出来る。
 ウイングス達のアクションも凝っていて、ダムの通路(?)の上下でそれぞれが戦う、と言う姿も面白い。しかし、あの水落ちは寒そうだったなぁ……。いやもうほんと、おつかされ様です。
 そんな二人は、持ち前の鋭い五感で理央とメレの魂の声を感知。マスター・シャーフーと三人で秘伝ゲキワザを使い、理央とメレの二人を蘇らせると言う重役を担う!
 ウイングス、おいしいなッ。個人的には、大翔と理央の絡みも見てみたかった。何と言うか、予測できないし(笑)。

今作の敵キャラ達

 そろそろ今作限定の敵キャラ達についても。 

ヌンチャクバンキ

 害地水気スペシャル目として造られたヌンチャクバンキ。モチーフがヌンチャクって、いつもながらもうどこにも環境汚染と被っていない(笑)。
 ジャッキー・チェンだか何だか、香港アクションスター的な口癖が特徴。ちょっと、ウザかったです(ヲイ)。
 スペシャル目として活躍し、蛮機獣でありながら臨獣トータス拳も使う。そしてロン復活の依り代となると、八面六臂の大活躍を見せた。 

臨獣トータス拳のメカ

 臨獣殿の生き残り。トータス=亀→メカで、メカの天才と設定が相変わらず神(笑)。
 しかし頭首自ら幕を閉じた臨獣殿の生き残りって、色々な意味で不憫なリンリンシー。メカニックとして天才的なのは分かるが、ヌンチャクバンキのスロットの形に慟哭丸が合わないからって、慟哭丸をハンマーで叩いて炎神ソウルの形にする、と言う無茶ぶりを発揮(笑)。
 いや逆だよ! スロットの形を変えた方が早いよ(笑)!

ロン

 修行その49では突かれ、喰われ、お茶に飛び込み……その後、劇場版では形まで変えられると、散々な目に合った挙句復活したロン。
 しかしヌンチャクバンキを依り代としての不完全の復活。トライアングルの三人を倒さないと慟哭丸からは解放されない……と言う設定が活きている。
 竜のブレスの原型になった、と設定できるような強烈な攻撃や空中浮遊。そして見事な顔芸(笑)を発揮し、ここでも見事な悪役ぶりを発揮していた。

ロンバンキ

 ヌンチャクバンキの体を使い、無間龍としての姿を表出した姿。
 強烈だが、側面の二体の龍の頭が仕事していないw
 ロンもロンで、苦労してるんだなぁ、としみじみさせられる光景である。龍の頭がにゅっと突き出した二足歩行と、かなり不細工(そこが怪人としてはおいしいんだけれども)な姿。
 ヒソ辺りが見たら、「おいたわしや……」とか言って泣いてそうだw

復活!理央とメレ

 ロン復活に呼応して、理央とメレの魂が蘇る! 秘伝ゲキワザによって、理央とメレが復活だ!
 修行その48における理央とメレ、二人の若夫婦の救済と旅立ちを見た後、復活は蛇足では無いのか? と思ったが、ロン復活とあっては理央達が黙っているはずもない! むしろ納得の復活だった。
 でも一番嬉しいのが、ジャンが理央の事を「共に高みを目指した仲間」と思っていた事だろうか。高みを目指して修行する拳士達。そのつながりは、死をもってしても断ち切れる事では無かった。ジャンと理央の、「いつも通り」の会話も嬉しい。そして、二人の共闘がまた見られたのももっと嬉しい! 嗚呼『ゲキレン』ファンとして感無量!

二大巨人揃い踏み

 巨大化したロンバンキ相手に、エンジンオーG9とゲキリントージャウルフが降臨! 後者のチョイスがおいしすぎる……! しかも今回は七人全員搭乗バージョンだし!
 インドから帰って来たタツロット……じゃなかった、バエの実況の中、エンジンオーG12とサイダイゲキリントージャの合体技でわりとあっさりロンバンキ敗北! いやほんと、ここはわりとあっさりでしたのよ。次のスペシャルまで、ロン、お休みなさい。

別れとED

 ロンバンキを倒し、仮初の命から死者へと戻る理央とメレ。ジャンと理央、二人の「約束」を再確認し合う所が、また、イイ……ッ!
 理央が、メレと手をつなぐのを照れくさがるのもニヤニヤポイント。そりゃあんな愛情たっぷりに手をつなぐのは、後輩が観てる前ではできないよな、理央なら(笑)。それをメレもしっかりわきまえていて、余裕綽々に見える所もまたイイ。ほんと、いい夫婦だ。
 そしてラストは、なつめの誕生パーティーと、ジャンの誕生日決定イベント。二大戦隊が出会えた日が、ジャンの誕生日。何とまぁ、おいしい展開! 

おまけ上映

 そしておまけ上映へ。こういうものの存在は、今回の作品が代替措置である事を強く感じさせる。

真夏のゴーオンライブ

 EDのライブ映像を編集したもの。こうして見ると、音楽的にも『ゴーオンジャー』は力入ってたんだなぁ。色々メンバー、豪華すぎ!

ニューヒーロー戦力ファイル

仮面ライダーディケイド』+『侍戦隊シンケンジャー』の予告映像。『ディケイド』はともかく、『シンケンジャー』のロング告知はここが初? 「侍」の他にも、「文字」と言うファクターが『シンケンジャー』には追加されるらしい。
 ストレートな侍モチーフ戦隊なだけに、期待が高まる。

総評

 実にいい作品だった。
 ゲキレンジャー組の成長が、素人戦隊系のゴーオンジャーを通してしっかり伝わって来た。修行を通じて素直に成長していくゴーオンジャー達の姿も好印象。
 特に『ゲキレンジャー』ファンの自分としては、その後の『ゲキレンジャー』を見る事が出来て大満足だった。
 これで『ゲキレンジャー』の面々とお別れなのが寂しい事だが……。いつかまた会える日を信じて!