『獣拳戦隊ゲキレンジャーVSボウケンジャー』

獣拳戦隊ゲキレンジャーVSボウケンジャー [DVD]

獣拳戦隊ゲキレンジャーVSボウケンジャー [DVD]

(四月十日、ちょっと変更)

第一感想

 待望のVSシリーズ『ゲキレンVSボウケン』。両戦隊とも好きな作品だけに期待していたが、その出来は「流石」の一言。まさに傑作。
 本作だけのゲストキャラには宇宙拳法の使い手・パチャカマック12世と臨獣ヒポポタマス拳のバーカーが。そのネーミングの怪しさ、まさに確信犯。こういうのがあるから戦隊シリーズはたまらない。
 またゲキトージャウルフにリンライオンとリンカメレオンが呉越同舟獣拳合体してゲキリントージャウルフになるなど、特別な巨大戦士の登場に、戦う舞台は月面などと、『ボウケンジャー』が加わった事で地球をも飛び出したスケール感には脱帽。
 もちろん風のシズカ、ズバーンなど、お約束のキャラも登場。

恐竜やネットワーク

 さらに脚本担当が荒川稔久氏と言う事は当然あるのが、恐竜やによる横のつながり。今作では牧野先生と美希の間にお客同士と言うつながりが。
 これで『アバレンジャー』以降の戦隊は、恐竜やを通じてみんなつながりがあると言う事に(笑)。

時系列

時系列は、『ボウケンジャー』は最終話の後と判り易いのに対し、『ゲキレンジャー』はちょっと微妙。ケンが登場しているので修行その28「ビシビシピキーンで押忍!」以降である事は確定だが、そのわりに臨獣殿には三拳魔がおらず、理央は頭首のまま。何よりロンがいない。
 マク達がやられて、理央が幻獣王としての力を手に入れる間……。
 修行その36「ムキュムキュ!怪盗三姉妹」〜修行その37「ギャンギャン!お見合い問答無用」の間くらいか?

スペシャルナレーション

 ともあれ、ケイ・グランド氏のこのナレーションで一層興奮してくるわけで。

世界の平和を守り、人々のために戦ってきたスーパー戦隊
スーパー戦隊に、輝ける二つのチーム有り。
一つ、燃え立つ激気は正義の証「獣拳戦隊ゲキレンジャー」。
一つ、果て無きボウケンスピリッツ「轟轟戦隊ボウケンジャー」。
出会うはずの無かったの戦士達が今、思わぬ形でまみえ、変わる。

 というワケで以下感想。

ボウケンジャーのその後

 VSシリーズの魅力の一つが、最終話後の戦隊の姿を観る事ができる……と言う事。チーフとさくら姐さんが宇宙プレシャスを求めて旅立ち、真墨を新たなチーフとして蒼太、菜月の二人が新たなチームに。映士はサージェスレスキューとして活動する傍ら、ボウケンジャーのサポートに回る。ズバーンはチーフから菜月の手に戻る、と言う形になったのが最終話。
 それが今回のVSシリーズでは、こう変化。

チーフ

 相変わらずの冒険バカ。言葉が足らなくて誤解を招くところも相変わらず。しかしシリアスもギャグもこなす万能選手ぶりも変わらない。

さくら姐さん

 相変わらずのクールビューティー。宇宙での旅ですっかりチーフと恋人に(笑)。

真墨

 チーフとなって貫禄が増した(?)。オールバックになってややアダルトに。

蒼太

 やっぱりタラシ。風のシズカは「お嫁さん候補」らしい(笑)。猫の未優も飼い続けている模様。

菜月

 変わらずの天然ぶり。マスター・シャーフーを見て「化け猫」www ナイステクニックをマスター・シャーフーに発揮。

映士

 おいしいところに現れる。「そういうキャラ」なのは自覚済みw 

ズバーン

チーフ大好きっ子ズバーン。アメリカ(『パワーレンジャーオーバードライブ』では)バトライザーとして合体もしていたズバーン。日本では、菜月のボディガードとして悪い虫から彼女を守っている様子。哀れケン、ズバーンの壁に破れるw

ボウケンスピリッツと激気

 本作のストーリーのメインとなるのが、「ゲキレンジャーがボウケンスピリッツを学ぶ」と言うもの。
「戦う宿命の拳士達」と言う様に、拳士達=人間同士の宿命の戦いがメインとなるのがゲキレンジャー。しかし、大自然や未知の存在と言う大きな壁に立ち向かい、窮地の時こそ逆にワクワクするのがボウケンジャーのボウケンスピリッツ。
 そしてその山の象徴となるのがチーフ。真墨達が追い越したと思ったら、さらにその先にいる――。そんな大きな山にチーフが例えられてもまったく違和感がない所が凄い。
 そんなチーフを説得するのがジャン。思った事をそのまま口にする、ある意味、真墨的ポジションだがジャンには中々ハマる。

操られた理央とメレ!?

 まさに今回のようなスペシャルでしか見ることの出来ないシチュエーション! 宇宙拳法究極の力を手に入れようとした理央だったが、逆に力を手に入れたパチャカマック12世に操られ、バーカー共々「しもべ」呼ばわりされてしまう。
 両戦隊の戦いによって解放されたものの、その怒りを晴らすため、リンライオンとリンカメレオンで大気圏突破! 月面まで走ってお礼参りにやって来る、無敵すぎる理央とメレに吹いたwwwww
 と言うか、ゲキバットファイヤーも大気圏を突破しているし、獣拳が変な意味で無敵すぎる。

その後のその後のボウケンジャー

 ボウケンジャーからゲキレンジャーが学んだように、ボウケンジャーゲキレンジャーから学ぶ。それも「ちょっとした冒険だ!」と言う事で、ジャン達から学ぶボウケンジャー一同。

ゴウ、ケン、映士

 この三人は、追加メンバーよろしく一緒に。何故か野菜の大食い勝負に移行するのが謎過ぎるw

ラン、菜月、さくら姐さん

「突きこそ基本!」と突きの練習をする三人。菜月とさくら姐さんのチャイナが素敵だ。
 しかし、「根性」を学び一心不乱に突きの練習をするさくら姐さんの姿は本気で恐い……。その突きがいつかチーフに炸裂するのかと思うと……。チーフ、ご愁傷様です。   

レツ、真墨、蒼太

 レツの鉄扇術を、バット・リーよろしく学ぶ三人。集中力を欠いた真墨が真っ先にリタイア。 

ジャン、チーフ

 今作最大の見所と言っても過言では無いシーン。ジャンと同じ野生児フォームに身を包んだチーフがターザンよろしく蔓を使って移動する。
 おまけにジャンと一緒になって「ニキニキにワキワキだ!」「ニャー!」とか叫びだす! ああ、もうチーフ素敵すぐるwwwww 

ラスト

 理央がバエを追うメレに判らないように笑顔を向け、最後は一一人にズバーンを加えたダンスでラスト。映像特典のメイキングもたっぷり三〇分以上収録し、満足の内容だった。来年の『炎神戦隊ゴーオンジャーVSゲキレンジャー』にも期待!