『獣拳戦隊ゲキレンジャー』修行その49「ズンズン!獣拳は、ずっと…」

 理央からすべてのリンギを受け継いだゲキレンジャー。激獣拳と臨獣拳の力を一つにし、自ら破壊神として世界を破壊しようと目論むロンに立ち向かう!




獣拳戦隊ゲキレンジャー』ここに劇終! ニキニキな最終話で朝からテンション上がりっぱなしっ。あえて「最終話」なんかじゃなくて「修行その49」なのは、師から弟子へ受け継がれ、これからも獣拳の道は続いていくからなのだろう。ああもう、『ゲキレンジャー』最高!




 ラストはスペシャルナレーション。激獣拳と臨獣拳を合一し、獣拳へと回帰した拳士達は力を合わせロンに挑む。自ら破壊神になって世界を滅ぼそうとするロン。一方で、ジャン、ラン、レツは気絶してしまう。三人はそれぞれが共有する夢のような世界の臨獣殿にいた。理央とメレに導かれ、三拳魔じきじきにリンギを伝授される。
 この時一番興奮するポイントが、三拳魔達の姿が獣の姿ではなく、ブルーサ・イーの下、マスター・シャーフーらと共に弟子時代を過ごした人間の姿だった事。そもマク達が獣の姿になったのも、ロンに唆されての事。ロンの呪縛から解放された理央同様、拳魔達もロンから解き放たれたのか。
 先人から後進へ、受け継がれていくリンギ。正義の心でそれを用いれば、悪の技も正義になる。以前、紫激気の話でも触れられていた事が、臨獣殿にも成ったのだ。
 それはマスター・シャーフーら七拳聖やゴウ、ケンも同様。三人がリンギを習得する時間を稼ぐため、命がけで戦う九人の下にやってきたトライアングル!
 そこから始まったロンとのアクションは、もう凄いの一言! ラストだからか、スーツアクターさん達の気合の入り方が尋常ではない。電影版でも披露したトライアングル攻撃の極みには、視聴者に一度のまばたきも許さない。
 そんな三人が不死のロンを封じる技は、何と獣源郷で拳聖達も喰らったリンギ慟哭丸! まさか「三拳魔秘伝リンギ」が「獣拳奥義」と名前を変え、ロンを封じる事になろうとは!
 ロンが導いた臨獣拳の奥義がロンを永遠の闇へと封じる――まさに因果応報。




 掌サイズの球体になってしまったロンは、ビリヤード球と一緒に衝かれるだのゴリーに食べられるだの、ひどい扱い(笑)。
 余談ながら、バット・リーが含韻の事を気にかけている姿に妄想の翼が広がります(笑)。
 封印されたロン。永遠に存在し続けるロンをどう保管するのか? そこで名乗りを上げたのはジャン。そして、ジャンは死んだ後の事も、しっかり考えていた。
 永遠に一人ぼっちの暗闇の中にいたロン。短い寿命しか持たないジャン達人間はもとより、不老である拳聖すら殺されれば死んでしまう。しかし、獣拳は違う、ジャン達がマスター・シャーフー達から獣拳を受け継いだように、師から弟子へ、獣拳は永遠に受け継がれていく。そういう風に、ロンの封印を見張る役目も受け継いでいけばいい。
 三人はマスターとなり、後進に心と技と体を伝えていく。
 スクラッチでそれぞれの心と技を伝えるランとレツ。学ぶ子ども達の中には、なつめの姿もある。
 ゴウはバエと共に自分を取り戻すための旅へ。
 ケンはスクラッチマイスターズの仕事を手伝う。
 ジャンは獣拳を世界中に広めるため旅に出る。初めて激獣拳と臨獣拳が共に戦った地、香港でジャンは理央と同じ気を持つ少年と出会う。そして少年を獣拳の道へ誘うのだった。
 ジャンが美希に見出されたように、ジャンも少年を獣拳の道へ誘っていく。学ぶ側から教える側へ。獣拳の教えは受け継がれていく。




 一年間、ニキニキで楽しめた作品だった。「ああ面白かった!」と自己完結するのではなく、アクション映画に手を出し始めたりと、自分の世界が広がっていけた事は大きな収穫の一つだった。
 作品的にも、学ぶ事、教える事。そして宿命の重さに打ち勝つ姿など、高みを目指して、学び変わる拳士達の活躍には胸が躍った。
 スタッフ・キャストの皆様、本当にお疲れさまでした。来週からは、次回作『炎神戦隊ゴーオンジャー』にバトンタッチ。バトンタッチ中のゲキレッドがまんまジャンで吹いたwwwww 
 最後の最後まで、本当にいい仕事してくれる! ゲキレンジャー、最高ー! みんな最高ー!