第1話「座敷童子 前編」

 ある雨の夜、宿場を一人の身重の女・志乃が訪れた。「追われている」と言う女志乃に対し難色を示す女将だったが、志乃の態度についに根負けした女将はある部屋を彼女に貸す。
 ところが、その部屋の中で次々と怪異が起こる。誰もが混乱する状況の中、一人事態を冷静に見据える男がいた。モノノ怪を斬りに来たと言う男、薬売りである。




 いよいよ感想は『モノノ怪』編に。変わらずの映像美に加え、今回は雨の表現やお札を貼る薬売りのアクションなど作画のレベルがやたら高い。後編とシリーズに嫌が上にも期待がかき立てられます。 
 以下感想。



 殺し屋に追われていると言う身重の女・志乃。女将にどんな事を言われても、とにかく「お腹の子どもを産みたい!」と言う強い意志を感じさせる彼女。
 彼女が女将に案内された部屋で次々と怪異が起こる。彼女を追ってきた殺し屋が、天上に引きこまれて「ぐる、ぐる、ぐる、ぐる」と回転して殺される。
 全身黄色の子ども。宿には子連れの客はいないはずなのに、子ども遊ぶ声、足跡が何人分も響く。それも聞こえるのは志乃だけ。
 薬売りはそれを屋敷に縛り付けられたモノノ怪・座敷童子であると、天上から落ちてきた水=羊水で「形」を見抜く。
「真」と「理」をお聞かせ願いたく候。の口上で、後編へと続く。




 前半だけあってあっさりとした印象を受けましたが、それだけに座敷童子と言うモノノ怪の異常性が際立って見えます。しかし、彼女の存在を知る事が出来たのは志乃だけ。そしてそのモノノ怪は赤い布で志乃と繋がっているようにも描かれている。そして、彼女のお守りの人形と座敷童子のデザインがそのもの……。
 座敷童子は志乃のお腹の中の子ども、と言う事なのだろうか。次回、語られる「真」と「理」が楽しみです。