『西の善き魔女 Astraea Testament』番外編ドラマCD「赤毛の貴公子と黒髪の少年」
小説原作の重厚さとアニメ本編のシリアスさを知っていれば、どうしてこうなるのか分からない迷走っぷりを見せるドラマCD。ストーリーは完全パラレルストーリー仕様で、
とばかりのアレな感じになっています。
しかも第一演劇部『リチャード三世』に対して、第二演劇部は審査員の大半を占める女子学生のハートをがっちりキャッチするために、『赤毛の貴公子と黒髪の少年』=やおい小説で勝負を挑むのだから凄まじい。ベッドに侵入するシーンとか、浴室に侵入するシーンなんかでがっちりハートをキャッチする気だっ!
以下噴火せよネタヴァレ感想。
ストーリーは完全パラレル仕様ですが、キャラクターの性格付けは何も変わっていません。っていうか、このストーリーで変わらなくてもいいキャラクターたちが怖いよっ!
フィリエルはひたすらツッコミを入れていきます。ある意味一番の常識人。
アデイルは『ロミオとジュリエット』を前にして「男女が恋愛するなんて面白くない」と言い放ち、そもそも第二演劇部はアデイルの同人誌の売上で持っているという恐ろしい作家ぷりを見せ付けます。内容はもちろんやをい小説だっ(笑)!
ユーシスは二枚目ですがセリフがさっぱり覚えられないトリ頭に。まぁ、この抜けっぷりは本編とある意味変わらないのですが。
そしてパラレル設定で一番被害を被っているのはルーン。アニメシリーズ全13話の流れに沿っているので、途中でルーンがレアンドラに誘惑されるのですが、ルーンは
「でもフィリエルはここまでさせてくれないしな……いいかこの際減るもんじゃないし」
などと言って誘惑に乗りかけます。
お前って男はっ(笑)! 気持ちは分かるがっ! レアンドラは高校生には見えないさっ!すけすけのネグリジェ+いちごのシャンパンは無しだよな!
そして弾けまくってるのがリイズ教頭(笑)。怪しい、怪しいよこのおっさんっ。「息までおやじ臭い!」とか言われる彼が悲しくも面白すぎる。
イグレインはイグレインで汗臭いのもいいのです、なんて言うフィリエルストーカーに……。
すべてが爆発したような勢いの、色々な意味で楽しさ弾ける一時間が堪能できる一枚でした。