第23話「人間律」

 人工島二〇周年式典の前夜祭が行われるが、会場は書記長の久島暗殺の黒い噂が流れ、重いムードに包まれていた。
 自らの立場とこれからを考える書記長の前にミナモが現れる。ミナモと話す事で、彼女は初心を思い出す。そして久島が考えた事を知るために、電理研へと向かうのだった。

第一感想

 久島、波留の認識が「友達」なのか……。
 いや当たり前と言えば当たり前なのだが。ソウタや書記長から常に尊敬の視線で見られている久島が、自分と対等の関係と見ているのが波留なのだな、と思うと……。
 まあさておいて以下感想。

ブレインダウン

 波留がこれまで眠り続けていた症状はブレインダウンだったと言う。
 メタルから意識が戻ってこれない状態をブレインダウンだと指すものだと思っていたが、メタルとは関係なかったらしい。ダイバーと言うか、意識に人々が気軽に「潜る」ようになって頻発し始めたのがブレインダウンなのか?

尊敬と調和

 ソウタと書記長。彼ら二人は人工島、そして久島でつながっていた二人だった。
 人工島と言う「自然」と「開発」の二つが調和され、そのまま自然と人が受け入れあっている人工島。二人はこれを愛し、それを作った久島をソウタも書記長も尊敬していた。
 二人の始まりが単なる愛人だとか、そんな言葉で片づけられる関係では無く、もっと澄んだ何かで始まった関係だったのだ。

もう一度ゼロから

 かつて久島も、海が燃える現象で波留を失い、人口島の開発は遅れた。しかし久島はそこで諦める事無く、人工島を再建し、現在の形にまで持っていった。
 気象分子を使用する事は、愛する人工島を大きな災厄の発信源にしてしまう事と同義かも知れない。ミナモの言葉から、書記長は信用を失ってでも、気象分子を止める事を決意する。そして、ソウタは初期化されたホロンと、もう一度関係を築けるのか……?
 しかし、ジェニー・円は書記長を追放してでも気象分子を散布しようと強硬だ。はたして、ジェニー・円を止める事は叶うのか。