第18話「ジュタの森」

 気象分子の実験を行った島から、メタルに現れる特殊なノイズが発信されてきた。波留は久島に依頼され、調査のために島に赴く。パークレンジャーのウムランの案内で密林の奥地へ歩き始めるのだった。

第一感想

 今回は前後編。
 初期エピソード以来だけに、このエピソードの持つ重要性が判る。
 そういえば、ミナモの呪いの(違)呪文「ジュタ〜」はアボリジニ語で「たくさん、多く」の意味らしい。なるほど、オーストラリア原住民の言語、と言うわけか。
 以下感想。

人と自然と

 今回のエピソードではとにかくこの二つの対比が重要な意味を持つ、と思う。
 人が体を義体化/電脳化し、はては気象分子で天候すら操ってみせる。まさに万物の霊長、と言った技術の使い方だ。
 しかし人類が栄華を極める一方で、自然は果てしなく増殖していく。その生命力はまさに脅威としか言いようが無い。人類がいなくなった世界がどうなるか、なんてシミュレーションを扱った本があるが、あれでも自然はまたたくまに都市を飲み込んでいく、と言う結論だった。
 雑草や野花がアスファルトを突き破って生えてくる。人は見逃しているが、植物、そして自然の持つ驚異的な力が指摘されていた。

ミナモがいる意味

 身体的なハンデを抱えるが故に、メタルにダイブする役を担う波留。そしてそれを現実から体や直感を使ってバックアップするのがミナモの役目だ。
 今回もミナモを通じて、「文明を発達させる」事と対を成す「自然と共生する」と言う人間のもう一つの側面を描いている。
 例えば、植物に対する話しかけ。風邪をひいても薬を飲まず自然治癒。密林で雨の気配を感じ、虫に驚き、地面を流れる水の音を聞く……。
 後半となる次回のエピソードでも、ミナモの自然と共にある姿勢が、ハルの助けとなるのだろう。

波留の体

 事故の後遺症で歩けなくなった波留。しかし実は、体に異常は無い、と言う事が示唆された。
 それは心理的な――それこそ、地球律を追い求めすぎるが故に、逆に動けなくなってしまった――と言う問題なのだろうか。地球律は波留が追い求める悲願だけに、それが原因だとすれば悲しいなぁ。

ホロン、行動不能

 色々な意味でおいしい所を持っていき、そして頼りになるホロンが何と行動不能に! よしそこだソウタ、男を見せる時が来たぞ(笑)!