第14話「波と風」

 事務所で一人ミナモが留守番をしていると、オーストラリアの祖母から電話が入る。ミナモはレポートをまとめるには人に話せばまとまるとアドバイスされ、祖母に波留と初めて出会った事、起こった事件、出会った人々について話していく。
 そしてミナモは、自分も波留の見ている世界を見てみようと、海に潜ってみるのだった。

第一感想

 総集編パート2。
 と言っても、先週描かれたのは「波留の半生」=インターミッションであったのに対し、今週描かれた内容の前半こそが真性の「総集編」だったわけだが。
 先週は過去の回想でキャラクターが喋らなかったのが特徴だったが、今週は「総集編」の間、ミナモの顔が一度も移らなかったのがポイント。ミナモの祖母と同じように「声」だけでこれまでの事件を想像し、回想させていく手法が巧い。またダイブシーンではモチーフとなったサイパンの海が挿入される手法も面白かった。
 以下感想。

祖母

 近いうちに(再来週?)に彼女が出演すると言うフラグ、かな?

ミナモから観た事件

 これまでの波留、事件、人々をミナモの視点から描いた総集編。あのダップー事件の飼い主のその後も明らかに。リアルでようやく本当の信頼を感じられるようになったと言う。しかしそれらはあくまでミナモが観たものであり、波留と同じものを観たわけではない。ミナモの担当は、現実であり、メタルではない。そこで同じものを感じるために、ミナモはあえて五〇年前の装備=若き日の波留が使っていた装備でダイブする事に。

海で見た幻覚

 オーストラリアの陸育ちで泳いだ経験も無くカナヅチだったミナモ。しかし海の美しい表層で、ミナモは若い波留の姿を幻視する。これは老人の姿であっても、中身は未だ三〇代な波留を自分でも知らぬうちに意識している、と言う現われだろうか。普段は老人の姿しか見ていないわけだし……。
 総集編の最中も、『ラブ・レター』の事件が最後に紹介されていたし……。
 先週が波留の過去と同時に未来を描いていたように、今週もミナモの過去と未来を同様に描いていると言う点で共通している。
 しかし波留に無くミナモに無いもの、それが「未来」だ。両者の間に横たわる問題がどう表面化し、解決していくのか……。と言う不安を感じてしまった。

次回は

 ユキノが大活躍の予感(笑)!?