上山道郎『ツマヌダ格闘街(3)』

ツマヌダ格闘街 3 (3) (ヤングキングコミックス)

ツマヌダ格闘街 3 (3) (ヤングキングコミックス)

 実戦派武術アクション第三巻。ここにきて、ようやくこの作品のキャラクターが藤子作品のオマージュだったのに気がついた……! ドラエさんとラミィしか気がつかなかったなあ……。
 以下感想。

登場したキャラクター

 それぞれ、

(上記三人は『ドラえもん』から)

  • ジロー・王→O次郎
  • クインシー・王→Q太郎

(上記二人は『おばけのQ太郎』から)

(『忍者ハットリくん』から)

と、見事なオマージュ。特にクインシーなんて、とく見るとまんまQちゃんだよ! 唇とかアホ毛とか。

ストーリー

 ミツルとジローがいよいよプロ入り目前に。プロ入りをかけたタッグバトル。インターバル的な対忍者。さらに少しだけ明かされるドラエさんの過去。ドラエさんはロシアで育ってたんだよ! とか、少女時代からすでに隔絶した実力を発揮していたとか、ドラエさん無敵伝説がまたも築かれる。
 今回、ツマヌダの治安維持部隊として登場した忍者の皆さん。特にドラエさんから指導を受けていた羽鳥心、羽鳥鈴女、獅子尾真理の三人は、『ハットリくん』からのオマージュ+『サンバルカン』からもモチーフが得られているような……。

秘密道具

 実戦派武術アクションと銘打っているものの、例えば『ホーリーランド』的な実戦とはまた意味合いが違い、描かれているのは合理的・武術的な体の動かし方。
「足を蹴って推進力を得る」のではなく、「真っ直ぐ立った状態でつま先を浮かせ、転びそうになる力を推進力にする」。
「肩甲骨の稼動域を広くする」。
「身体の自然な動きを引き出すのが武術」。
 など、単に読んだ後人に試したい、なんて物騒な気分ではなく、自分で試して変えてみたい、と思わせてくれる作品。このドラエさんが教えてくれる様々な術理が、ある意味秘密道具なんだろうなぁ。