第8話「ノー・フレンド」

 ミナモ達が通う中学校で幽霊が出ると言う噂が広まっていた。プールでサヤカが、教室でユキノが、それぞれ幽霊の姿を目撃する。中学校へ仕事で現れたソウタと共に、幽霊探しが始まって……。

第一感想

 何と言うソウタのお兄さんスマイル……! 危うく自分の中の乙女回路がキュン死にする所だったぜ……(誰だオマエは)!
 以下感想。

都市伝説・波留

 中学生の間で都市伝説になっている波留に吹いたw
 今では波留は元気にやっているが、五〇年前の事故が海が燃える現象がらみだとすれば、ある意味では笑えない都市伝説ではある。

メタルがある日常

 電脳化する事が当たり前の世界では、生身の人間のほうが異端であり、不便な生活をする事になる。ミナモが授業中、一人ヘルメットを被っているのも、学校の授業自体が電脳化している事を前提として組まれている証左だ。どれだけ生身の感覚がすばらしく変えがたいものだとしても、ソウタと久島の通信を見れば分かる様に、電脳化した方が圧倒的に有利になる。
 人工島の発達のように、メタルもまた「止まらない発達」の一つだったのだろう。

幽霊の正体

 幽霊と思われていたものの正体は、ある会社のアバター情報のキャッシュだった。
「電脳貸し」と言う自分の電脳の余剰領域を貸すワリのいいバイトだったが、ウケのいいキャラクターを作ろうとして、逆に皆を怖がらせる事になったのは皮肉だ。
 だが、実際にはそんなデータよりも、自分の頭の「余り」を他人にほいほい貸してしまえる、その感覚そのもので……。
 やはり怖いのは、幽霊ではなく人間そのものだ。