『灼眼のシャナII』最終話「守りたいもの」
零時迷子を奪還するため、巨人の内で、そして外で。悠二とシャナはそれぞれの戦いを続けていた。内部で合流した二人は、共に零時迷子を胸に収めた銀との戦いに挑む!
『灼眼のシャナ』ついに最終話。
終わってみれば、序盤の展開だとか、第二期OPだとか、全部に意味があった事なのだと理解する。何だかんだで、面白い作品だった。
以下感想。
ラストアクション!
今週もアクションが冴え渡っていた。
特にヴィルヘルミナのリボンのバリエーションや、ヘカテーの星のバリエーションはある意味原作にも無いもので、まさにアニメだけの特権。ああ、素晴らしい!
教授、自重wwww
今週も先週に引き続きノリノリの教授。
巨人に翼をつけたりと、相変わらず最後に飛び出すギミックが大好きすぎる教授が素敵すぎるwwwww
悠二の軌跡
今まで、頭脳だけだったと言っても過言では無い悠二。しかしそれが第二期後半から変わってきて、最後にはシャナと共に剣を手にして戦える相棒として立派に成長してみせた。
大切な街や人を守りたい。そのために自分のやるべき事をやる。ある意味清清しいまでに、主役として成長して見せた。色々女性関係では気に入らない主人公だけど(ぇー)その成長には涙を禁じえない。
史菜の心
最後の最後で、その存在感を見せた史菜。銀と共に人間の感情を集めるだけの道具として扱われ、ヘカテーからも「消えるのみ」と言われた彼女。
だが最後には、彼女は彼女が愛したものを思い出し、それに向かって手を伸ばす事ができた。あまつさえ、ヘカテーに彼女の感情が逆流したかのように、その瞳から涙を流させてみせた。
その存在は消えるべき運命であり、存在しなくて当然だったとしても――彼女がいた事は、決して無駄ではなかった事がここに示される。
いや、ほんとによかった! 自分、史菜ファンで(ヲイ)! ほんとによかったよ! ありがとう、スタッフさん!
吉田さんの選択
ヒラルダを使い、フィレスを呼ぶべきか? 吉田さんに突きつけられる、最後の選択。一度でも「シャナが悠二を助けられないかも知れない」と思ったならば、と一度は使おうとする吉田さん。
だが、今「勝手に負けを認めて(=ヒラルダを使い)悠二を助ける」事は、吉田さんがシャナに対して抜け駆けする事になる。すなわち、シャナを裏切る事になる。それは色々な葛藤を経て正統な恋敵となったシャナと吉田さんの関係にヒビを入れる事になる。
ヒラルダは使わない。悠二が帰ってくる事を信じて待つ。苦悩の末、そう結論付けた吉田さん。そして信じたことが叶った吉田さんの笑顔に、あやうく惚れそうになった。吉田さん、輝いてる……!
決戦の行方
バル・マスケとの戦いを経て、改めて決戦をやり直す三人。そして、悠二が選んだ相手は――? と、ちょっとぼかしているが、ラストのシャナの笑顔を見る限り、やはり悠二はシャナを選んだのだろう。何て言ったって、「シャナを守りたい!」なのだし。シャナ、いい笑顔だったしッ! ちぃっ!
判っちゃいるし感慨深いけど何だか悔しい。
総評
史菜による、悠二とシャナ、そして吉田さんの関係に打ち込まれた楔と、日常生活に時間を割きすぎて脱落者もちらほら見かけた序盤だったが、やはり最終的には彼女の存在そのものがラストの決定打を担ったわけなのだから、やはりその存在意義は十二分にあったのだろうと確信する。個人的に史菜は好きだし(ヲイ)!
史菜の存在は、ヘカテーの「役目を終えたものは消えるのみ」と言う言葉を否定する存在であり、「役目を終えたものでも、何らかの存在意義がある」と言う事を証明するものでもある。
それは吉田さんをはじめ、恋に破れた池や、銀を目前にして戦線離脱したマージョリーのように、役目を終えたものが新しい一歩を踏み出す力、または何かを生み出す力になりえる、と言う事が『灼眼のシャナ』第二期のテーマ? のようなものだったのではないだろうか。
それがバル・マスケのように理を歪めて新しい存在を生み出す事ではなくヘカテーに生じた変化への答えであるはずだ。
個人的には、えらく男前な顔で黄昏てる池に、最大限のエールを送りたい。今だ池! 傷心の吉田さんにつけ込むのは今しかない(サイアクだ)!
どうにも綺麗に終わって、『灼眼のシャナ』第三期はありそうもない。一度劇場版と言う手段も使ってしまったため、もう二度目は無いだろう(いや、何だかんだでありそうだけれども)。
ならば、OVAに期待するしかない! 是非是非、先代炎髪灼眼の討ち手こと、奥方様の熱い生き様を顕現して下されスタッフ様っ!
と、新しい何かを期待するだけと言う消極的でシマらない言葉で〆。