『Mr.Boo! ミスター・ブー』

 ようやく再開! 『獣拳戦隊ゲキレンジャー』からアクション映画に触れてみよう企画、第二〇弾。
 今回は『Mr.Boo! ミスター・ブー』。

ストーリー

 探偵のウィンは香港で探偵事務所を開いている。しかし、従業員は秘書のジャッキーと間抜けな助手のチョンボの三人だけ。
 ある時、探偵志望の青年きっとが安月給で良いから雇ってくれとやって来る。カンフーの強さを認め採用し、彼らは様々な厄介な事件をこなしていく。

『ゲキレン』的ポイント

 修行その22で登場したリンリンシー、臨獣ピッグ拳のタブーの元ネタになった作品。
 ネーミング、ソーセージヌンチャク、そして広川太一郎氏のギャグとアドリブ満載のアフレコ。これでこれが元ネタじゃないとか言われたら逆に怒るね(ぇー)!
 広川氏追悼鑑賞として選択したものの、自分が手に入れたDVDには日本語吹き替えが収録されていなかった……orz
 以下感想。

心得

 マイケル・ホイ主演の有名アクションコメディ。
 そんなマイケル・ホイ演じるキャラクターのような人間になるにはどうすればいいか。その心得が日本版レコードには記されている。

1.永遠に二枚目でない男である事。
2.ケチ、しかし貯金はゼロの男である事。
3.吉野屋の牛丼と、養老の滝の牛丼、どちらがうまいか毎日食べ比べてみるような男である事。
4.カラオケで「うまい!プロになれ」と言われて、本当にレコード会社に売り込みに行くような男である事。
5.時々、ネクタイのしめ方を忘れて鏡の前で1時間、真剣に悩むような男である事。
6.「人生はかけだ」とえらそうなことをいいながらパチンコをやり、いつも負けて後悔するような男である事。
7.女性には全く関心がないような顔をして、毎日パンツを変え、エチケット・ライオンと、ワキガを気にしてエイト・フォーを欠かさず使用するような男である事。
8.もちろん女を愛し、男にも同等の愛情行為を向けられるような男である事。
9.映画は東和(この作品の配給元)しか見ないといいながら、何とかタダで映画を見ようと努力するような男である事。
10決して、人を憎まないいい性格の男である事。

 まさしくこんな性格をしたキャラクターが、あっちでこっちで右往左往する、そんなストーリー。
 ウィンが持ち込まれた事件を解決しようとして、酷い目ばかりに会い、最後にはあんまり報われない人生を描く、ある意味で涙無しでは視聴不可能。

アクション

 作品自体はギャグ一色なのに、高層ビルから梯子で逃げようとして真ん中で梯子が切れて落ちたりとか、思い出したようにやって来る危険なシーンが怖い。
 ソーセージヌンチャクや鮫の歯、魚(ノコギリザメ?)などを使った常識外れの厨房アクションなど、独自面も見逃せない。
 されど今作一番凄いのは、作中で活躍する強盗団。
 街中で、そして映画館で。あまりに堂々と盗みを働く彼らを笑うか、褒めるか、少々悩むところ。相当綿密に練られた犯罪計画である事をうかがわせながらも、リーダー格がちょっと間抜けで頭がいいとは思わせない、ちょっと不思議な犯罪集団。
 とりあえず、何も考えずに笑いたい時にどうぞ。