『灼眼のシャナII』第10話「帰ってきた男」

 封絶に成功した悠二だったが、その炎の色はマージョリーの探す徒『銀』と同じだった。何も分からない悠二らは、その事実を隠し現状維持のままヴィルヘルミナの帰りを待つ事に。
 清秋祭を控え、その準備に坂井家に向かったシャナと一美。しかしその周辺には怪しい男の姿があった。




 清秋際の準備を迎える悠二達。初日のパレードのクラス代表は、悠二達のメンバーが選ばれる事に。しかもその仮装は、『オズの魔法使い』に『ロミオとジュリエット』。
 特に『ロミオとジュリエット』には、悠二とシャナと吉田さん辺りに対するクラスの思惑が透けて見える(笑)。
 そしてロミオ役の悠二に対し、よりによってシャナ、吉田さん、史菜の三人でジュリエット役を決める事に。くじ引き一つにこの緊張感。
 ……これが修羅場か!?
 くじ引きの結果、ジュリエットは吉田さんが。残りのドロシー役と魔法使い役にシャナと史菜が。
 しかし今はもう、悠二の隣にいるぐらいではシャナも吉田さんも満足できない。もっと、深いところまで関係性を作りたいとさらに一歩進みたい。
 そこで引き合いに出されるのが、すでにその関係性を構築した二人=夫婦である坂井夫妻。千草と貫太郎の二人。
 学生結婚で未熟ゆえに苦労して……と二人の関係を築いている二人に、シャナと吉田さんは恋愛関係でそれぞれアドバイスを。
 千草からは「本当に体中全部くっついていたい」。
 貫太郎からは「迷っているなら、手を伸ばせばいい。そうすればある程度は手が届くはず」。
 お互いがそれぞれ「もっと悠二と深い関係性を作りたい」と思っている事を理解した上で、同じアドバイスをもらい……と戦友状態な二人。




 日常パートが続く一方で、ストーリーは確実に進行中。
 トーチでミステスでそして『銀』……複雑なファクターを併せ持つ悠二と零時迷子を巡って様々な人物が動き始める。
 悠二の銀色の炎。それは今決してマージョリーに知らせてはならない。知れば必ず悠二に対して暴走行為を始めるのが容易に予想できるため。
 パリでカムシンと会ったヴィルヘルミナは、本来の零時迷子の所有者ヨーハンの恋人であるフィレスが生きて零時迷子を探している事を知る。
 そして、調子が悪いと言って遅刻した史菜……。
 シリーズ構成の小林靖子さんが書いただけあって、これからのストーリーの大きな始まりとなったエピソードでした。