高橋弥七郎『灼眼のシャナ(15)』

灼眼のシャナ〈15〉 (電撃文庫)

灼眼のシャナ〈15〉 (電撃文庫)

 読書マラソン3・六十四冊目。
 随分遅くなったけれど、『灼眼のシャナ』最新刊感想。
 以下感想。
 二〇世紀初頭、ハワイを舞台に、これまで名前だけは登場していた『鬼功の繰り手』サーレ・ハビヒツブルグと二代目『極光の射手』キアラ・トスカナ。そして紅世の徒集団[革正団]との戦いを描く番外編。
 とは言え、序章、終章の部分で[仮装舞踏会]のボスになってしまった悠二の変質の理由(銀の出現の理由)とシャナと吉田さんの待ちぼうけも描かれています。このタイミングでこのエピソードを描くと言う事は、サーレとキアラが今後登場する証左、と言う事になるのでしょうか。
 また「昔の」バカップル状態だった約束の二人、フィレスとヨーハン。彼らを呼ぶ事の出来る、吉田さんが貰った宝具。今回の騒動にまたも一枚噛んでる教授と、やはり今後、重要なファクターを担うキャラクター総登場とも言える濃い一冊。
 ハワイがかつて侵略を受けたように、強いものが弱いものを侵略し、征服すると言う現実を広く世界に知らしめるべきだと言う、あまりにアレな徒集団の思想やら、フレイムヘイズを人工的に作り出そうとした教授。そしてその結果としてのサーレとキアラの師弟関係やらと、これまで『シャナ』シリーズを読んでいたので、ニヤニヤ顔で楽しめました。
 次回からはいよいよ[仮装舞踏会]との戦いが始まるのかな?