ジョン・ブレイク『地球最後の野良猫』

地球最後の野良猫 (創元SF文庫 ) (創元SF文庫 フ 10-1)

地球最後の野良猫 (創元SF文庫 ) (創元SF文庫 フ 10-1)

 以下感想。
 タイトルに惹かれ購入した一冊。やはりこの手のSF作品には、猫がつきものです。
 猫が致死性インフルエンザを媒介するとして、巨大企業に厳密に管理される世界。いわゆる下流階級に属する主人公ジェイドは、たまたま猫を見付け、家で飼う事に。
 しかし首輪をしていない野良猫である猫の存在を役所に届け出れば、キャリアとして殺されてしまう。
 猫を守る為、権力や企業から逃げ回るジェイドの逃亡劇を描いた一冊。
 はっきり言って、一度でも猫の魅力にやられた事の無い人物にはちょっと感情移入し難いものがある一冊。猫一匹の為に権力から逃げ回り、巨大企業からの取引を蹴って最後には捕まるジェイドは、正直単なる阿呆である。
 しかしそうでない人物には別で、「そうだよ、猫にはここまでやる魅力があるんだよ!」と大いに頷かせられる。
 読み終わった後、ジェイド同様、この地球最後の野良猫にぬっこぬこにされてしまったのだった(何だその物言い)。