三田誠『レンタルマギカ 白の魔法使い』

 勝利を手にするのは力が強い人間でも無い。ましてや、頭がいい人間も無い。それは、ルールを作った人間である。
 そんな言葉を想起させた、今回の一冊。
 <螺旋なる蛇>と<協会>、それぞれの陣営の首領と幹部が一触即発で睨み合い、互いに大魔術をぶつけ合って逆転に次ぐ逆転劇を展開していく中、最後の最後で両者の間に立って流れを自分の元に引き寄せるいっちゃんの剛腕社長ぶり(実際には極めて細腕)に惚れる。これは連続するフラグ立てもしょうがないか、と思わせるいっちゃんの、怖いくらいの成長ぶりであった。
 ついに両陣営がぶつかり合う事が確定した今回。次回以降、いよいよ最終決戦に向けてのカウントダウンが始まって行きそうなので楽しみに待とう。