アン・マキャフリイ『パーンの竜騎士/外伝(1) 竜の夜明け(上)』

 絶望視していた『パーンの竜騎士』シリーズ。そうしていたら、古本屋で外伝シリーズ全巻発見ー!
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 以下感想。
『パーンの竜騎士』における惑星パーン入植初期のエピソードだけあり、シリーズを通し、最もSFの色が濃いシリーズとなっている「竜の夜明け」。
 正伝シリーズにおける様々な地名の由来となったキャラクター達が登場し、ファンとしてにやにやする事しきり。
 正伝シリーズ後に満を持して発表された外伝だけあって、正伝における大人中心の人間ドラマ。加えて、子ども達をメインにしたジュブナイル色。その二つを兼ね備えているのが特徴。
 前者は入植メンバーの監督を取る、ポール・ベンデン達を。後者は、初めて惑星パーンで後に遺伝子操作される竜の原種、子竜(火蜥蜴)を発見し、初の感合を果たしたショーンとソルカの二人を主人公とし、エピソードは進んでいく。
 惑星パーンに早くも嫌気が差し、鉱物資源を持てるだけ持って他の惑星に逃げてやろうとする一派の陰謀。そして初の糸胞襲来と、物語が正伝へと着々と歩みを進めていく様にドキドキさせられる。

「生命既存惑星連邦より与えられた権限に基づき、われらここにこの惑星を獲得し、パーンと名づくるものなり!」

 と言うセリフが特に印象的。ああ、ここからすべてが始まったんだなあ、と実感させられた。