『仮面ライダー×仮面ライダー×仮面ライダーTHE MOVIE 超・電王トリロジー EPISODE YELLOW お宝DEエンド・パイレーツ』
第一感想
やっぱり、米村『電王』は何か違う……。
小林脚本では、モモタロス達が本当に生きて発言している、と感じるのに、米村脚本だと、モモタロス達がそういう役割を演じて発言したり、行動している……と感じてしまったディエンド編だった。
別に米村さんが悪いと言う事では無く、キャリアも長いベテランであるのにそう感じると言う事は、やはり『電王』は、完全に小林靖子オリジナル作品なんだなあ……。
それがいい事なのか悪い事なのか、自分にはよく分からないけれど。
以下感想。
夜の都会を跳ぶ男
相変わらずトリロジーは、冒頭で視聴者を掴むのが巧い!
夜の都会を、砂をまき散らしながら跳び回る大樹の姿が綺麗と言うか、華麗と言うか。まさに怪盗の姿で驚嘆。
モモ一行、登場。
イマジンの匂いがしたから、と言う理由で夜の街を徘徊するモモタロス達。お前ら、そんなに仕事熱心だったっけ(笑)? しかも、何で四人共風呂上りな雰囲気!? おまけに良太郎も帯同? と、よく考えたら何だか謎なシチュエーション。
良太郎も含めて五人で風呂に入ってたら、モモタロスが他のメンバーにからかわれて不機嫌に→イマジンの匂いを感知→八つ当たりに行った。みんなもついて行った。みたいな流れかな?
スパイダーイマジン
『仮面ライダーディエンド』第一話として、伝統の蜘蛛男セレクトですね、分かります。
二年越しの言及
『仮面ライダー電王』が始まって二年余り……。ついに、「フルチャージ後に投げたパスの行方」に言及された! いやあ、長かった(笑)。
しかも普通に、後で拾うって何だよこんちきしょうっwww
大樹、デンライナーを盗む
モモタロスが大樹の事を「ダイオキシン!」と記憶していた事で、この映画がちゃんと『ディケイド』の物語とつながっていた事が発覚。
そんなこんなで、わざとイマジンを取り憑かせた大樹が、ようやくデンライナーを盗む事に成功。士のせいでFFRデンオウデンライナーが永遠に使用不可能になってしまったので、ついに本物を盗んでしまった、と言う事か。
しかし、何故か一回限りのチケットは消滅せず、再び同じ時間に到着してしまう。
オーナーは大樹がこの時間によほど強い想いを持っていた……と分析するが、ある意味、大樹も士同様、時空間において特異な存在である事の証左なのかも知れない。
タイムパラドックス
「2008年11月22日」に降り立った大樹は、その時間にいる自分自身を狙い撃つ! ところが、撃たれた大樹は何事も無かったように復活してしまう。
これはタイムパラドックスであり、過去の自分に、未来の自分は干渉できない、と言うタイムパラドックス効果のためだった。
って、何そのいまさらタイムスリップものSF定番設定ー(笑)!? タイムパラドックスとか、そんな用語が出てくるの遅すぎるよ!?
こういう設定も含めて、監修に小林靖子さんがついている理由なのかな?
時間警察
ついに来た! タイムスリップものSF定番設定第二弾!
『電王』放送から二年かけ、ついに登場したタイムパトロールこと、時間警察。
これまで各ライナーのオーナーが、自前のライダーシステムとライナーを使って自警団的に時の運航を守っていたのに対し、ついに組織だって時の運航を守る組織が登場した。
時間警察の本部にもキングライナーがある所から、別のキングライナーの駅長が組織した集団なのだろうか。
と言うか、ここにキングライナーがあるせいで、今回の戦いが、オーナーと駅長の権力争いにも見えるから不思議(笑)。
組織自体は、デンライナー署が前身だったりするのかな?
黒崎レイジ
G電王に変身する時間警察の捜査官。
過去・大樹に遭遇した事と、母親に捨てられたと思い込んでいたせいで、すっかり性格が歪んでしまい、重度の人間不信に陥ってしまった。そのせいで、信じられるものは人工イマジンのイブのみ……。
リア充でも、そこらの引きこもったオタクみたいになっちゃう、と言ういい見本です(ヲイコラチョットマテ)。
人工イマジン・イブ
時間警察によって作られた、人工イマジン第1号。時間警察では時の運航を乱すものは人間もイマジンもそうだと定義しているので(と言うか、両者は同じものだし)、あえて人工的に戦力となるイマジンを作り出したのだろう。
ドーベルマン型と言う事で、いかにも警察が使うイマジンと言った感じ。
しかし、時の運航を守る使命を優先するあまり、レイジを排除し単独で変身=暴走してしまう。人工であってもイマジンはイマジン……と言う事か。
仮面ライダーG電王
劇場オリジナルライダーとして、ついに登場したG電王。ネーミングはG電王=Gメン電王かな?
単独での時間移動高い戦闘能力を誇るライダー。ベルトはデンオウベルトだが、変身音がガオウと、味方の技術なんだけど、敵、と言う面白いポジションのキャラクター。デンガッシャーの変形パターンが十手と銃と言うのも、警察らしい。
各ライナーのライダーシステムを見直し、改良しているようで、フルチャージに代わってかなり汎用性の高いバリア等が追加されている。あくまで「逮捕」するのが目的であって、撃破では無いためか。
ところで、一番笑ったのがG電王の電仮面。モチーフがアメリカのパトカーとは聞いたが、思いっきりパトカーが電仮面にwwww
逮捕されたイマジン達
大樹と共に、時の運航を乱してきたとして逮捕されてしまったモモタロス達。馬鹿な! コイツラは正義の味方だ! と弁護しようとしたが、割と好き勝手やってきたので、何も庇い立てできない事に気付いた(笑)。元々、カイ一派だったしなあ……。
この辺り、ぎゃあぎゃあ騒ぐモモタロス達だが、この辺り、妙に演技臭さと言うか、役割臭さを感じてしまった。
パラシュートの脱出しかり、何だかアニメっぽい?
大樹の演技
卑屈な演技で油断させておいて、ちゃっかり鍵を盗み出す。まさに泥棒の手口だが、どうして時間警察の牢屋はそんな原始的なんだよ(笑)。
オーナー登場
デンライナー代表として、モモタロス達の身柄を取り戻しに来たオーナー。キャー! オーナー頼りになるー! と思ったら、あっという間に時の運航を乱した罪で捕まりかけるオーナーに吹いたwwww
そんな馬鹿な! だってオーナーはオーナーなんですよ!? と思ったら、やっぱりこっちも弁護できなかったり。と言うか、オーナーは時の運航を守る為に、結構時の運航を乱しているもんな……。
『ファイナルカウントダウン』の象の騒動とか。
良太郎とコハナ
イマジン達と引き離され、作戦を練る良太郎とコハナ。
今回、この二人が裏方なのだが、子どもの姿からは想像もつかない優秀な調査員ぶりを見せるのが妙な違和感が(苦笑)。特にコハナ、どうやって黒崎家の実情を調べたんだ。ここはDC版待ち? DC版待ち!?
大樹のニュースキル
ナオミに変装する、と言う変装スキルを見せつけた大樹。って、お前はルパンか(笑)。
大樹とウラタロス
影の主役? だったウラタロス。言葉の裏に何かを隠している大樹に共感し、事件の裏を探ったり、憑依したり、戦ったりして援護するウラタロス。
普通ならここで大樹とウラタロスの間で友情的なものが芽生えたりするかもしれないのだが、そこは「通りすがりの仮面ライダー」である大樹。そんな絆芽生えもせず、ウラタロスは大樹に失望するだけだった。
言葉の裏に針を隠す、嘘のための嘘をつくウラタロスと違い、大樹の行動や発言には裏は無い。何故なら、大樹の発言も行動も、常に「お宝」だけを優先しているから。
ウラタロスが勘違いしたのは、妙に遠回しで、本音を隠すその行動と発言から。こういう所、大樹と士は似てるよなあ(苦笑)。
すべてはお宝の為に
大樹が過去の自分を狙撃したのも、時間警察から逃げ回っていたのも、すべてはお宝を守る為だった。
そのお宝とは、黒崎家の家宝である拳銃でもあり。レイジの母親からレイジに宛てた手紙でもあり。
全てのお宝は失われてはならない。そう断言して動いていた大樹。あらゆる行動がお宝の為、と言う所が、いかにも大樹らしい所。
なんやかんやで、そのお宝がレイジの手に渡るようにしたのは、士のとの旅で「仲間もお宝」と学んだ為なのかも知れない。
二人のディエンド
過去の大樹と現代の大樹が、二人で変身! ディエンドが二人もいる! と言う異常事態に。
それにしても、過去の大樹はどさくさに紛れて黒崎家の家宝を盗んでいたり、さっさと逃亡したりと、相変わらずで吹いたw こういう些細な違いが、大樹の成長と言うか、変化を感じさせるポイント。
仮面ライダーディエンド コンプリートフォーム
レイジから手渡されたケータッチでディエンド最強形態・コンプリートフォームに変身!
ケータッチがレイジから手渡される、と言う所が意外だった展開。大樹は以前よりレイジと対立していたようなので、それ以前の対決で時間警察に押収された、と言うストーリーが想像できる。
G4、リュウガ、オーガ、グレイブ、歌舞鬼、コーカサス、アーク、スカルと、安心の死亡率一〇〇%! おまけにグレイブって、身内じゃねーかwwwww
召喚したライオトルーパーも含めて、全て劇場版登場ライダー、と言うのが細かい。
黒崎レイジに花束を
花屋で働く母親と再会するレイジ。
「いつか、未来で」と言う言葉は、小林脚本に対するリスペクトも入っているのだろうか。
ドタバタしたディエンド編ながら、しっとりとしたレイジのクライマックスだった。
明かされるオーナー奇行の謎
これまでのトリロジーをつなぐかと思われたオーナーの謎の行動。メジャーで部屋の寸法を測ったり、巨大なおたまを購入したり……。その謎が、トリロジー最後で明かされたっ!
……って、何だそれー!? 凄いよ! 確かに凄いけど、一体その行動をトリロジーでする意味がどこにあったんだコンチキショウwwwww
光写真館
大樹の帰る所はそこかw
中には士やらユウスケやら夏海やらがいるんだろうなあ、と思うとニヤニヤ。
でも、最後に良太郎のコーヒーカップを盗むって、どんな泥棒のマーキングだよ! 多分士には、「これが電王に変身する、野上良太郎のコーヒーカップだ」とか言って自慢するんだろうなあ。
ED
まさかのメドレー!?
そこは『Treasure Sniper 2010』とかにして上げて下さい(笑)。
イマジンあにめ
ちょwwwww中の人出しちゃダメwwww
劇場版『W』予告
「少年よ、男になれ」
で変な事考えた自分はもうドーパントにでもなればいいと思う。
『ビギンズナイト』では翔太郎(息子)とおやっさん(父親)メインの話だったのに対し、夏の劇場版はフィリップ(息子)とシュラウド/マリア(母親)の話になりそうだ。
トリロジー総括感想
トリロジー制覇達成!
そんなわけでついにトリロジーを観終わった。
ゼロノス、NEW電王、ディエンドと、サブキャラクターをメインにバラエティ豊かなストーリーが展開していき、非常に見応えがあったトリロジー。
正直、二週間おきに公開なんて慌ただしくて何だかなあ、と思ったりもしているのだが、そういうジェットコースター感が、正しく平成ライダーっぽくてよかったとも思う。
特撮作品の劇場公開形態としても、かなり面白い展開をした今回。『超・電王』シリーズの人気の高さを伺えるが、やはり気になるのが今後の展開。
良太郎を二代目、三代目として続いて行くのか、それともどこかで『超・電王』の完結編を作って華々しくクライマックスを飾るのか。いずれにせよ、当分、『電王』人気に翳りは無さそうなので、次のシリーズにも期待。