アン・マキャフリイ『パーンの竜騎士(6) 竜の太鼓』

竜の太鼓 (ハヤカワ文庫SF―バーンの竜騎士)

竜の太鼓 (ハヤカワ文庫SF―バーンの竜騎士)

『パーンの竜騎士』における<竪琴師ノ工舎>三部作の完結巻。
 三部作のうち、最後は主人公を変更する。と言うルール通り、「竜の太鼓」の主人公はメノリからピイマアへ変更。
 メノリの親友であり、随一の美声を誇っていたピイマアだったが、声変わりで歌えなくなってしまう。居場所を失ったピイマアが見出した次なる居場所は、胸躍る大冒険の日々だった。
「白い竜」の終盤、南ノ大陸を探索していたピイマア。今巻は、彼がそこに至るまでの軌跡を描いた一冊となっている。
 歌い手としての居場所を失いながらも、しかし自分の新たな居場所を求めて奮戦するピイマアの冒険は、政治/陰謀色が強いレサ。真面目で、ルースと言う絶対的なバディを持つジャクソム。シンデレラストーリーなメノリレサやジャクソム。そしてメノリとはまた違った趣があって楽しく読む事が出来た。
『パーンの竜騎士』<正史>三部作を補完するサイドストーリーとして、<竪琴師ノ工舎>三部作は是非押さえておきたい。