岩永亮太郎『Pumpkin Scissors(13)』

Pumpkin Scissors(13) (KCデラックス)

Pumpkin Scissors(13) (KCデラックス)

 漫画『パンプキン・シザース』最新刊。
 いよいよストーリーは西方諸国連盟合同会議編に突入。
 戦後初めての大規模なイベントに喜ぶ市民達。しかしその裏では、帝国技術権益を狙う各国の思惑。軍部と儀典局の政争。起こる殺人事件に、テロ組織の活動。さらには結社の暗躍……と、複雑なストーリーが密度を濃くして進んでいいく、非常に読み応えがある。
 帝国の危機に際し、我らがランデルにも色々と危うい影がかかる。以前に比べ、生きる事、幸福を追うようになったランデル。しかしそんな、「はりきってしまう」彼だからこそ、「空回り」してしまいそうになる。個人的に殺人事件を追うランデルには、彼を排除せんとする軍。殺人犯として告発せんとするジャーナリスト。そして解剖待ちのカウプラン等、黒い影が多数迫る。
 そんな重い今回の一冊を、いつものように濃いキャラクター達やギャグパートで上手く緩和している。
 今回登場する濃いキャラクターは、アリスに並ならぬ憧れを持つハーケンマイヤー。まさに空に舞い上がろうとする馬鹿で、読んでいて終始笑いっぱなし。
 そしてさらに、セッティエームとマーチスがついにパーティー会場で再会を果たす。途中まではよかったのに……よかったのに! 何で「皮」の話で泣きついてるんだよwwww