『DARKER THAN BLACK -黒の契約者- 外伝』第三話

DARKER THAN BLACK -流星の双子- 6 ≪DVD≫

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第一感想

 クライマックスに向けて急展開な第三話。
 黒の死神がひと時のい安らぎを得ようとした報いなのか、はたまたこれまで散々ヘイガールの心を弄んだ罰なのか。
 個人的には、後者である事を絶賛希望(ヲイコラ) 
 以下感想。ネタバレ有り。

 眠っている間、黒は前回の夢を見る。
 その中で、イザナミが小悪魔過ぎて身ぶるいする。
「お前は銀じゃない」と言う黒に対し、「どうしてそんな事を言うの?」「自分を変えたのは黒なのに」。
 あまつさえ、「私を壊して」!!!
 ちょ、何その男殺しー! イザナミ、どこでそんなテクニックを……!? それとも、それが女の本性なのか……?!
 銀自身の変化とイザナミ化が並行しているだけに、黒はぐらぐら惑う迷う。見ているこっちも迷う惑う。女の涙に、もうふらふらです。

第三話の銀

 第一話、第二話と衣装が変化する銀だが、第三話では、何だか妙に可愛らしい格好に。
 第一話のような避暑地のお嬢様でも無く、第二話のようにチャイナでも無く、どこかの街にいるような、普通の女の子のファッションに、逆にドキドキ。

組織はもういない

 外伝第三話の時点で、すでに組織と呼ばれた組織はまともに機能していない事が雨霧の口から明らかに。
 クロード経由の情報(すなわち、マダム・オレイユの情報)なので信憑性は高い。
 組織はバラバラになり、権力を少しでも自分のものにしようとするだけの烏合の衆になり下がっているとか。とすれば、『漆黒の花』のエピソードも、その権力争いの一つなのかも知れない。

相変わらず無自覚な男

 黒にとって銀とは何なのか?
 雨霧の問いに何かを言おうとして、結局答えられず口をつぐむ黒を評した雨霧の言葉。そうなのよ、この無自覚さのせいで、どれだけの女が不幸になった事か……(またそっちかよ)!
 しかし、黒はアンバーにも白にも、そして銀にも。自分にとって彼女達が何者なのかはっきり答える事が出来ず、それ故に彼女達の命を取りこぼしているような気がする……。

黒と銀の愁嘆場

 銀がイザナミを近くに感じるのは、黒を近くに感じる時。その時、銀の意識を遠ざけていく。
 イザナミが完全に覚醒すれば、銀と言う存在は消失する、その証左だろう。
 自分の存在が銀を苦しめている。だから「別れよう」と言った黒。しかし銀は、涙を流してこう返すのだった。

銀「黒を忘れる事は出来ない」

 と。
 こ、この男殺しいいいいいいいいいいいいいいっ!!!!
 やっべ! これはやっべ! 胸にぐさぐさ刺さったああああああっ!!!
 イザナミが小悪魔なのは、銀に影響されてるんじゃないの? と思うくらいの男殺しっぷり。タラシな黒を逆に殺す、銀の女に戦慄。

契約者の未来

 雨霧達が暮らすコミュニティ。そこでは、社会からはみ出した契約者達が集まり、共同生活を営んでいる。
 そこでは、契約者同士の男女から生まれた赤ん坊すら存在していた。合理的思考を旨とする契約者が、不合理と不確定の極みである赤ん坊を産み、育てる。
 契約者故か、感情表現は薄いものの、ゆりかこを揺らす事であやそうとするその行動からは、確かな愛情を感じさせる。
 ある契約者なんて、料理を作った陳(外伝第二話から続投)に対して、「ありがとう」とお礼すらする。そんな事、まったく合理的でも無いと言うのに!
 それは、自分達の未来を信じた契約者達の姿。
 アンバーが絶やさぬために戦ったその意味が、彼らを見ていると実感できる気がしてくる。

なりそこない

 銀を積極的にイザナミへ覚醒しようとするクロード。契約者を人間とドールの上位種とみなし、自分達が死ぬなんて考えもしてい無さそうな傲慢さを感じさせる。
 そんなクロードに、野良犬は辛辣に言う。
マダム・オレイユ曰く、契約者とはドールになり切れなかった人間
 と。
 確かにそうだー! と、その見方に驚くと同時に納得。
 契約者とドール、どちらが人間から遠い存在(=超越的な能力を持っているか)と言う点で見れば、ドールの方に決まっている。
 契約者は、人間から進化したくせに、人間的思考を濃く残しているなりそこないでしかない。
 それを証明するかのように、イザナミがクロードを観察している姿がまた驚き。人差指を唇にあてて「お静かに」ポーズを決めたイザナミは小悪魔通り越してもう悪魔だよ!

契約者達との戦い

 クロードの能力で騙されたコミュニティの契約者達と、黒の死闘が始まる。
 黒は彼らを自身と銀を守るために殺さなければならなかった。契約者達から見れば、黒はEPRを潰し、アンバーを殺した憎むべき相手なのだから。 
 しかし黒はアンバーが導いた契約者達と、未来を信じて生きる彼らに感情移入していたのに……。
 黒の感情移入癖が、最悪の形で出た瞬間。こういう自分の感情移入対象を殺さなければならなかった、と言うトラウマの一つが、第二期のやさぐれにつながっていくのか……。

野良犬、最後の言葉

 銀の覚醒を早める為、行動を起こしたクロード。そのため、相棒役だった野良犬も殺害されてしまう。
 致命傷を負った野良犬は、最後の力で黒に現状を伝える。

  • クロードが他の契約者と組んで銀の覚醒を早めようとした。
  • 後を追えるようにドールを用意している。
  • 銀は最後の力で覚醒を抑え込んでいる。

 そして、

野良犬「だから……さっさと殺せ」

 痛烈の一言に過ぎる……!

次回は

DTB』外伝、最終話。
 やさぐれ黒への道、いよいよクライマックスへ。