長谷敏司『円環少女(11) 新世界の門』
- 作者: 長谷敏司,深遊
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2010/02/01
- メディア: 文庫
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シリーズクライマックスに突入する、まさにその「門」と言える一冊。
王子護の浮上させたアトランチスが嚆矢となり始まる一大決戦。
仁とメイゼル達が核戦争を止めるべく≪九位≫との死闘を繰り広げているのと並行して展開するのは、たった一人の再演魔導師・きずなを巡る陰謀。
戻ってきた妹・舞花がよりにもよって神聖騎士団のスパイで、きずなと同じ再演魔導師になってしまったものだからさあ大変。かくて地獄に神が降り立ち、戦いの構図は第一巻でのバベル事件同様、仁一行対神聖騎士団、と言う展開に回帰していく。
辛い過去やトラウマ、過失をやりなおせる再演の神と、覚悟を決めて不退転なメイゼルが相容れぬわけが無く、彼女には神も破壊できる手段を持っていると言う事で、次巻では壮絶な戦いが予想される。
ところで、帯には
もう絶対にあともどり出来ないのよ、せんせ(はぁと)
なんて書かれてあるが、仁は全世界のお茶の間でメイゼルと関係を持っている(誤解)事が暴露され、すでに社会的に仁があともどれなーい(笑)!
ちなみに今回はあのケイツが≪九位≫との戦いで大活躍! 初めの内こそ、ゴキブリと間違えられたり、美少女フィギュアを戦場に持ち込む可哀想な人になっているのが、途中から大活躍し始め、最後には仁がなれなかったヒーローの片鱗まで見せる。まさにダークホース! ≪九位≫も無視したケイツの意外な活躍に、次回も期待。