川原礫『アクセル・ワールド(4) -蒼空への飛翔-』

アクセル・ワールド〈4〉蒼空への飛翔 (電撃文庫)

アクセル・ワールド〈4〉蒼空への飛翔 (電撃文庫)

アクセル・ワールド』第四巻。実は上下巻構成ので、今回のシリーズ四冊目が三冊目の続きに。
 ダスク・テイカーを今一歩の所まで追いつめたハルユキ達だったが、チユリが敵側につくと言うまさかの裏切りで形勢は逆転。再びダスク・テイカー=能美に好き勝手される日常へ。
 しかしこれまでの戦いで大きく成長したハルユキは根性を見せ、これまでの戦いで培った精神力とツテを総動員して能美へのリベンジへの準備を進めていく。
 のだが、今回ハルユキの成長と共にその存在感を見せつけたのが、我らが黒雪姫ことブラック・ロータス。ハルユキどころかチーム全員の窮地に王子様の如く颯爽と登場する姿に痺れた……! 
 第四巻では、今後への布石も色々登場。
 ハルユキ達のように、ブレイン・バーストで自分のトラウマと真正面から向き合い、仲間や友情を育んでいくバーストリンカーとは真逆の存在である加速研究会なるサークルの登場。
 カッコよく言えば青春。悪く言えば厨臭いバーストリンカーとは違い、ビジネスライクな大人の雰囲気漂う集団で、いずれ激突必死の存在。どうやら研究会サイドにもバーストリンカー同様、純色の王が存在しているようなので、シリーズが進むにつれ、いずれ全面戦争になりそうな予感だ。
 そもバーストリンカーサイドはまだ王達の姿やその過去も出そろっていないので、『アクセル・ワールド』シリーズは結構な長編になるのかも知れない。
 これらに加え、ハルユキの所属するネガ・ネビュラスにもメンバーが増え、一層展開への期待が膨らむのだった。