最終幕「侍戦隊永遠」
ストーリー
ついにドウコクとの最終決戦を迎えたシンケンジャー。シンケンレッドは志葉家のモヂカラの込められたディスクでドウコクを貫くが、ドウコクには攻撃が効かず、逆に大ダメージを受けてしまう。
だがシンケンジャーは再び立ち上がり、またもドウコクの前に立ちふさがるのだった。
第一感想
『侍戦隊シンケンジャー』大団円!
丹波のしこりも劇中で全部解決させ、ドウコクとの熾烈な決戦の連続!
シンケンジャーサイドのアクションはもとより、ドウコクの圧倒的な強さにもうにやにやしながら見ていた二五分。もう、まさにあっぱれ!
以下感想。
外道衆から見たシンケンジャー
人間側から見た外道衆の感想は嫌と言うほど見てきたが(それこそはぐれ外道を含めて)、意外と、外道衆から見たシンケンジャーの感想は無かったので新鮮。
曰く、「外道衆より命を大切にしない」との事だが、それを生きる事に執着するシタリに言わせるのだから巧い。
シタリから見れば、シンケンジャーなんか圧倒的実力差を前にしても、子々孫々挑み続ける馬鹿の集まりぐらいにしか見えないのだろうなあ。
シンケンジャー対ドウコク(一回戦)
志葉家のモヂカラには丈瑠、と言うよりディスク本体が耐えられない。したがって、一度きりのチャンスを活かすため、スーパーシンケンレッドを中心に、残りの五人が盾となって突撃する戦法を取る。
ナナシ連中の群れをかき分け、ノサカマタの攻撃を防ぎきってやっとドウコクの封印の文字でできた傷を貫いたと思ったら、何とそれが通用しない! 何と言うドウコクの無敵ぶりよ! まさに悪役の鑑!
とは言え、ドウコクの言う通り、丈瑠が志葉家の血筋でない為にディスクの出力が下がったとしたら、それはそれで何と言う因果な話か。
最終幕に至るまで容赦無く本物/偽物の因縁が絡みついてくる展開に、この時点ではやきもき。
七人の侍
「生きているのならもう一度立つ!」
丈瑠達六人をそんな侍と見込み、怪我をおしてもう一枚目の志葉家のモヂカラのディスクを作る薫。
変身こそしていないが、これぞまさに不撓不屈の侍・シンケンジャーのリーダーであるシンケンレッドの姿! 変身していないのに、OPで「シンケンレッド」とクレジットされている理由もうなずける。
彦馬出陣
シンケンジャーの窮地に、黙っている彦馬では無い! 今日は完全武装をして、ナナシ連中の群れに突撃!
その殺陣はさすがの迫力。それも相まって、「そうだよね、刀なんて所詮サブウェポンで、メインウェポンは槍だよね」と、妙な所で感心した(ヲイ)。間合いの長さは大切です。
戦い後の宴会の打ち合わせ
よかった……ここで茉子姐さんが「じゃあ手作りする」とか言わなくてほんと良かった―(何に安心してるんだお前は)!
丹波、その胸中
シンケンジャーの要である志葉家存続のため、影武者を立てさせた丹波。彼が得意とするモヂカラが「双」であった事から、そんな発想が生まれたのかも知れない。
しかし他でも無い志葉家の血筋である薫から、「志葉家だけ残っても意味がない!」と言われた事で、ようやく何かふっきれたものがあった様子。丈瑠を「影」では無く、正式な「当主」として戦場に送りだしたのも、その変化の現れなのだろう。
そして、最終幕に来てまで活躍する白ディスクの万能ぶりが憎い(笑)。
どうでもいい事
ところで、どうして外道衆に効果のあるモヂカラを持つ志葉家だけじゃなく、他に四家もの侍の家系がシンケンジャーとして立っているのだろう? とちょっと疑問に思ったのだが……。
「いや、きっと烈堂が戦いの中で、丈瑠みたいに侍ハーレム作っちゃったんだよ。戦う男の背中に惚れた! みたいな」
と言う結論で脳内会議は満場一致を見ましたとさ(笑)。きっと残りの四家も、源太みたいに巻き込まれちゃったんでしょう。ぐるぐるにw
シンケンジャー対ドウコク(二回戦)
志葉家のモヂカラのディスクをドウコクに当てる、と言う基本作戦は同じながら、今回はさらに六人の連携を意識した、さながら「当代シンケンジャー」ならではの戦い方が印象に残る。
皆で書いた「縛」のモヂカラで動きを止め、双ディスクでコピーした烈火大斬刀・二刀流!
そして志葉家のモヂカラのディスクを使うアンカー役は、何とシンケンブルー=流ノ介!!
アヤカシを縛る能力を持つドウコクが縛られる皮肉から始まって、あの巨大な烈火大斬刀二刀流と言う凄まじい絵面。さらにアンカーが流ノ介と言う意外性と、まさに丈瑠を中心に戦ってきたシンケンジャーの真骨頂のような戦いだった。
そうだよね、志葉家のモヂカラのディスクが丈瑠が使っても真価を発揮できないのなら、アンカーは丈瑠じゃなくてもいいんだよな!
シンケンジャー対ドウコク(三回戦)
ドウコクだってアヤカシです! と言う事で、忘れちゃいけないのが二の目戦。ドウコクのダメージも全回復して(その分太夫を取り込んだ効果が無くなってる?)の巨大戦に突入!
真っ先に「いや、まだ二の目がある!」と言うのが千明なのも心憎い。丈瑠越えをはたしていないとは言え、千明も立派に成長を遂げている事が分かる。
その巨大戦も、サムライハオー→テンクウシンケンオー→シンケンオーと折神を吹っ飛ばされても突撃する、まさに最後の最後まで、先週言った「力尽く」を体現する作戦がお見事だった。
そのセリフ
「お前達と戦えてよかった」
……お約束のセリフだが、丈瑠、それはこの場面で言うと死亡フラグギリギリー(笑)!
先週、ドウコクがシンケンジャーガン無視で太夫と愁嘆場を始めたのに対抗し、ドウコクガン無視で仲間との絆を確認しあう丈瑠なのだった(ぇー)。
外道衆の行方
大将ドウコクが敗れ、三途の川へと押し流されていくナナシ連中。そしてシタリは、最後の最後まで生きる事に執着し、船と共に三途の川へと沈んでいくのだった。
身内が殺されても、敵討ちなんて考える事無く、我が身が生きる事を優先する。シタリのそんな姿は、あまりに人間らしくて、逆にちょっと涙。
人間と外道の何が違うんだろう? と思わせられるキャラクターは多かったが、個人的には、シタリに一番そう感じさせれてしまった。
それぞれの日常へ
外道衆を倒し、それぞれの日常へと帰る侍達。
- 薫→再び隠棲。今度はお見合い攻勢が? もちろん、ハリセンは必須です。
- 茉子姐さん→両親のいるハワイに。
- 千明→大学受験のやり直し。
- 流ノ介→歌舞伎役者に戻る。
- ことは→京都の実家に戻る。
- 源太→パリで屋台引き。
- 丈瑠→志葉家十九代目当主として志葉家を守る。
と、それぞれがつかみとった平和へと還っていく。しかし、源太だけ何でこんなにイロモノな旅立ちなんだ(笑)。源太らしくていいと思うけど。アメリカ辺りでは寿司の屋台が人気あるらしいが、あまりにスタイルが違いすぎて心配ですw
ED
直前の激闘と打って変わり、静かなEDが印象的。黒子の皆さんが玄関の掃除をするような、こんな静かな日常を取り戻すために侍達は集い、そして戦ったのだと言うようなEDだった。
総評
歴代戦隊シリーズの中でも、一、二を争う傑作。
侍、主従関係、外道衆、影武者等等、多くの暗く重い設定はあったが、侍達の絆と外道衆の濃い「執着」で一年間走り抜けた印象。
そして何より、天下無敵の殿人気は見逃せない(笑)。何、あの歴代の中でも屈指の萌え率を誇るレッド?!
Vシネマ制作も公式でアナウンスされ、まだまだ侍戦隊の戦いは終わらないが、ひとまず。
キャスト、スタッフの皆さま、お疲れさまでした!
次回は
『天装戦隊ゴセイジャー』スタート。お約束ながら『ディケイド』っぽい戦隊(笑)。
合体武器のコンプリートフォームぶりは、戦隊シリーズだと逆に潔く感じて不思議だ。