『侍戦隊ゴーオンジャーVSゴーオンジャー 銀幕BANG!!』
第一感想
かっこよすぎる……!
と、お約束の一言から(笑)。
シンケンジャーもさる事ながら、『ゴーオンジャー』はメインキャストに加え炎神もオールキャストで登場するもんだから画面が賑やかすぎて困るくらい。
さらに『ゴセイジャー』まで初お目見えで、中々カオスな一本だった。これからは、この枠でVSシリーズは継続していくのだろうか? そうなったらなったで、また楽しいのだが。
以下ネタバレ感想。
ストーリー
今回のストーリーは、時系列で言うと『シンケンジャー』の第三十二幕〜第三十八幕の間? シンケンジャーサイドはサムライハオーまで獲得。外道衆サイドでアクマロが生き残っていて、雇われとして十臓や太夫も戦いに参加しているし。
VSシリーズとしては最長の作品らしいが、それでもキャラクターやアクションでカットされた所が多そうな一作。
特に各ワールドに飛ばされた後のメンバー達の交流やアクションが、その場の一発ギャグに押されてカットされたような印象。まあ、各戦隊メンバーに加えゴセイジャーまで登場するので、仕方が無いのかもしれないが。
荒野の決闘
冒頭は、いつも通りの『シンケンジャー』のナレーション……と思いきや、ガンマンワールドでのエンジンオーG9と害統領バッチードとの決闘からスタート。
巨大な両者が背中合わせでガンマンスタイルの決闘をしているシーンは、凄くシュール(笑)。エンジンオーG9のコクピットで走輔達がメットオフしている姿が、いかにも最終決戦と言う風情。
決闘はもちろんゴーオンジャーの勝利! しかし、バッチードの策略により勝負は逆転。ゴーオンジャーと炎神達はそれぞれ別のブレーンワールドへ飛ばされ、バラバラになってしまう。
ちなみにバッチードの声優さんは銀河万丈氏。こ、これは勝てない。違う意味で(笑)。
走輔と丈瑠
今回のVSシリーズは、この二大レッドの共演がメイン!
型破りで勢い任せの走輔に、侍として盤石な丈瑠。この二人が絡むんだから、衝突するなと言うのが無理! と言うもの。
走輔は丈瑠から「素人」と言われ、丈瑠は走輔に「偉そうに命令されたらたまらない」と言われる。ぶつかりあう二人だが、戦いの中で段々なじんでいくのがお約束。
ここで印象的だったのが、走輔を評価する丈瑠。自分の感情に正直な走輔の姿を、どこか羨ましそうに感じているようにも見える。
丈瑠が影武者である、と言う事実を知っているので、その評価には「嘘」をつき続けているという丈瑠の負い目が感じられる。
両巨頭会談
三途の川にやって来るバッチードとドウコクの会談は、悪の二大巨頭揃い踏み! と言う事で流石の迫力。
まあ、両者のキャラデザが正反対過ぎて思わず笑ってしまったのはここだけの秘密(笑)。両方とも外道って事には変わりないんだけどねー。
感情ではなく、しっかり利益を計って取引を進める両巨頭の姿は、悪の魅力に満ち溢れてて素敵だった。
復活! ガイアーク三大臣
バッチードが利用するために、三途の川の底から復活させたのが三大臣! 『ゴーオンジャー』劇中で死亡した後、どういうわけか三途の川の底で三人は再会して、ダラダラ酒を飲んで暮らしていたらしい。
お前ら、どこに行っても変わんねーなwwwww
特にヨゴシュタインは、一度死んですっかりノリが昔のままに(笑)。
復活させられたものの、「今さらバッチードにこき使われたくねーよ」とばかりに仕事をボイコットし、源太の屋台で寿司食って酒飲んでを繰り返す。こいつら、ほんとに変わらない(笑)。
キタネイダスはビールばっかだし! ケガレシアなんて源太とドキ!……とか一切無くて、挙句三人食い逃げだよ! そしてそのまま登場シーン無しッ!
こいつら、ほんとフリーダムw
囚われの彦馬(とボンパー)
劇中、シンケンジャー不在のタイミングを狙ってアヤカシ・ホムラコギに捕まってしまう彦馬とボンパー。
彦馬の殺陣が流石に堂に入っていて、未だ現役な所を見せつけられる。ついでに、その後ろでぽかぽかナナシを叩いてる黒子達がもう可愛くて可愛くて(笑)。
ブレーンワールドの出会い
バッチードの技で各ブレーンワールドに飛ばされたゴーオンジャーとシンケンジャー。それぞれの世界で出会い、ヒューマンワールドへの帰還を目指すが……。
この帰還までの経緯が、さっくり削られているのがある意味「らしい」。これぞ正しい意味でのライヴ感?
クリスマスワールド
サンタだらけのクリスマスワールドで出会ったのは、茉子姐さんと源太。そして大翔と美羽。
サンタのコスプレをしてヒューマンワールド行きの列車で帰還をはたそうとするも、パスが無いのでそのまま逮捕。せ、正義の味方が逮捕されたー(笑)!
それにしても、源太の言う通り大翔のサンタ姿は、その、あれだ……。凄く、浮いてます(笑)。何あの隠しきれないやさぐれたホストみたいな空気www
サムライワールド
やっぱりこのワールドは外せない! サムライワールドでは千明、ことはと、軍平、連。そしてダイゴヨウ。
何と言うか、軍平とダイゴヨウ、二大ギャグコンビが組んだらもう怖いものなど何も無い! って感じが凄い。ダイゴヨウ、お前ノリノリじゃねーか!
そして軍平は、ことは相手に「可憐すぎる……!」と言う新たな明言を作ったのだった(笑)。
やっぱり、正義の味方はこの世界でも逮捕w
ジャンクワールド
お仙ばーちゃんがいるジャンクワールドでは、早輝と範人、そして流ノ介が。
『ゴーオン』組はジャンクワールドに縁があるもの同士で納得の組み合わせ。一方の流ノ介は、一人ポツンと寂しさを振りまきながらも、相変わらずの流ノ介節を炸裂させていたのだった。
そういえば、この世界でだけ逮捕されていないなw
ゴーオンレッドVSシンケンレッド
人質になった彦馬とボンパー。しかし人質のために要求を呑む走輔と、相手が人質を助けるか分からないと主張する丈瑠の間で戦いが勃発!
ゴーオンレッドVSシンケンレッドと言う、レッド対決が始まる!
侍として戦いを重ねてきた、いわばプロの丈瑠が有利かと思いきや、数々の戦いをノリと度胸と運で戦い抜いてきた走輔とはほとんど互角。
ナナシがウガッツの群れを走りまわしながらのアクションは、普段の『シンケンジャー』ではお目にかかれない鉄砲相手の戦いが多く、まさに劇場版でしか見られないお得映像!
人質を助け出すための作戦だったのだが、冒頭のバッチードの作戦をそのままお返しするその姿は、お約束ながら痛快。
カーアクション
『シンケンジャー』で馬をやった後はカーアクション?
モヂカラ「車」で真っ赤なスポーツカーを出現させ、ゴーオンレッドとシンケンレッドがウガッツバイク+ナナシ連中相手に大立ち回り!
外道衆自体が某世紀末救世主伝説まっさおな連中のため、観ていて「これどこの世紀末?」ってな光景に(笑)。
と言うか、どうしてナナシ連中はバイクに乗れるんだwww
ナナシ連中の、以外な器用さが浮き彫りにw
ハイパーゴーオンレッド
ゴーオンレッドがマンタンガンに恐竜ディスクを装填して、この姿になった。
との事だが、これ普通にロッドモードのロッドに恐竜ディスクを入れて回転させただけだったのでちょっと拍子抜け。
走輔の事だから、ソウルスロットに無理して恐竜ディスクを突っ込むのかと思った(笑)。
真っ赤な陣羽織だけでなく、ロッドがキョウリュウマルのように伸縮自在になっているのが特徴。凄く……ルナルナです。
ゴセイジャー登場
バッチード達との戦いに介入しようとするアクマロ一派を妨害したのは、新戦隊ゴセイジャー!
初登場補正をばっちり効かせ、アクマロ、十臓、太夫を撃破。
印象深いのは、やはりコンビネーションとカードギミック。初登場補正を抜きにしてもコンビネーションは見事の一言。
しかし、びっくりしたのはあのカードを装填するギミック。「ガッチャッ!」って言った。「ガッチャッ!」って言った(笑)。
『オールライダー対大ショッカー』のダブルの時と違い、各戦隊に顔を見せないと言う所が巧い。これで変に時系列の考察をしなくてもオッケー(コラ)!
決戦は月で
バッチードが最後に向かった先は、何と月!
月にバッチードが造ったバッチリウムプラントがあったためだが、何と炎神達と一緒に折神まで地球を脱出して月まで追撃!
そう言えば昔もゲキビーストやリンビーストが月まで走って言ってたが、まさかコイツラまで出来るとは……! 空気とか、大丈夫なんだろうか(そんな事かよ)。
画面を埋め尽くす巨大戦士
バッチードは自らのプラントと合体し、パワーアップ!
対する戦隊サイドは、エンジンオーG12とサムライハオー! 共に戦隊史上稀に見る全メカ合体戦士だけに、画面の情報量が凄いのなんのって。
さらに、決め技にはサムライフォーメーション23を展開するため、イカテンクウバスターを中心に、シンケンオー、ダイカイオー、モウギュウダイオー、エンジンオーG9、キョウレツオーが並ぶと言う強烈な事に!
この情報量……凄まじい(笑)。
ED
まだまだ戦い続くゴーオンジャーの旅立ちを見送った後には、劇場版必見! の『侍ファーストラップ-銀幕BANG!!-』。
シンケンジャー達の凄い粋でいなせな格好(笑)によるダンスはまさに必見 !!!
総評
スーパー戦隊VSシリーズ劇場版第二弾。
各戦隊のヒーローやサブキャラクター、メカに加え敵役も総登場した、賑やかなお祭り作品だった。
個人的には、ギャグよりも各キャラクターの交流をもっと描いてほしかったのだが、それはあれだ。やっぱりキャラが濃すぎるのが問題だったのかも知れない。いわゆる嬉しい誤算的な(笑)。
ところで一番気になったのが、恐竜やつながりが無くなった事。各戦隊のつながりを示す、重要な要素の一つだったのだが……。
これは、劇場公開を例年化するためのフラグ? 恐竜やつながりは、ファンしか喜ばないローカルネタだしなあ。
とにもかくにも、今後の期待を大いに膨らませてくれた劇場BANG!!だった。来年の丈瑠にも期待!