第12話「復讐のV/怨念獣」

ストーリー

 バイラス・ドーパントは山村康平では無かった。ならばと婚約者である湯島と接触しようとする翔太郎だったが、そこにまたもバイラス・ドーパントが現れる。
 容疑者がいなくなってしまった事件、最後に残った容疑者は……。

第一感想

 霧彦、名誉挽回失敗ッ。
 果たして、彼の株はどこまで下がり続けるのか(笑)。このまま下落し続けて、最後の最後には離婚が待っている気もするw
 以下感想。

OP

 劇場版の映像が挿入された今回。『ディケイド』終了から数か月。長かったような、短かったような(苦笑)。

事件の整理

 改めて、亜樹子がやる所が面白い所。翔太郎はそういうのやらずに直感で行動しそうだし、フィリップは口に出さずとも分かっている。
 と言う事で、改めて亜樹子が視聴者と同じ目線で風都をナビゲートするキャラクターだったのだと再認識。

容疑者がいない事件

 弟の康平は入院中。婚約者の湯島でも無い。バイラス・ドーパントの正体は一体誰だ?! と、ミステリー成分も多かった今回の「復讐のV」編。
 ワリと謎はあっさり目だった『W』だけに、こういう展開は逆に新鮮。

バイラス・ドーパントの正体

 容疑者ゼロの展開を突破するのは、亜樹子の何気ない一言。「一番恨みを抱いている人物」は、ひき逃げされ、昏睡状態に陥っている幸本人しか無い。
 そこで病室にもぐり込み、彼女の体を探ると、そこにはガイアメモリの生体コネクタが!
 彼女は事故に会う直前、ガイアメモリを体に挿しドーパント化していた。しかしバイラスが純粋な戦闘型では無かったためか、彼女は結局意識を失った。
 だが、彼女の強烈な憎しみの感情と、居合わせた弟の感情までも取り込んで、幸の精神だけがバイラス・ドーパントに変化し、車に感染した、と言う事だった。
 これぞ、事件の真相であり、霧彦が株を上げるために持ち込んだ「人間の精神のドーパント」であった。
 その設定から、否が応にもフィリップとの関連を連想させる事態(ダブルの変身でも、サイクロンメモリを使っているのはフィリップなわけだし)。
 結局、精神がドーパント化したものは、肉体がドーパント化したものに比べ能力が著しく劣化する、とすでにミュージアムでは実験済みの内容だったのだが(霧彦さん、御愁傷様です)。
 しかし、結局今回のエピソードはこの「心は肉体に敵わない」と言う結果全てに集約されているのが皮肉だ。

とあるセールスマン

 幸にバイラスメモリを売った根津だが、あいつの登場がピンポイント過ぎて吹いたw
 しっかり名前も調べていたようだから、湯島と付き合っている女を狙ってたのだろう。犯罪者の獲物を狙う、まあ、セールスマンとしてせこいと言うか堅実と言うか(笑)。

地球の本棚の説得

 今回、フィリップが依頼人とネゴシエイター役として大きく接触したのも印象的だった。
 生体コネクタごしに幸本人の精神を地球の本棚に呼び出したフィリップ。あれは、フィリップの特殊能力故か、はたまた人間の精神には地球の本棚にアクセスできる素養が元々備わっているのか。
 代理とは言え、相棒の意思を伝えるため言葉を尽くすフィリップ。現実と地球の本棚両面で活躍する二人で一人の仮面ライダーならではの見せ場だった。
俺達が、だろ」には思わずニヤニヤ。

同情出来ない被害者達

 黒須達四人はどうしようもないストリートギャング。一方の湯島も、どうしようもない女たらしの最低人間だった。
 同情出来ない被害者に、同情の余地ばかりの犯人。
 だがそれでも、復讐を止めるため、幸本人のために何の得にもならない事に命がけな翔太郎の姿は、それでもやっぱりハーフボイルド。最後に湯島を殴っちゃったら、それはもう熱血刑事ものになっちゃうもんなあ(笑)。
 でも、あそこで一発殴る事+「お前の罪を数えろ」で視聴者の溜飲も下がると言うものか。

次回は

 若菜が依頼人に!? ストーカー騒動で、霧彦さんがまた空回りしそうな予感w