三雲岳斗『アスラクライン(13) さくらさくら』

アスラクライン』第十三巻、にして最終巻。
 とは言え、どうも後日談や短編でまだもう少し続くようなので、楽しみ。
 以下感想。

明かされる謎

 智春達の物語がついにクライマックスに。と言うわけで、これまで引っ張って来た謎が色々明らかになっていく。

  • 操緒がベリアル・ドールになるまでの経緯。
  • 嵩月復活の経緯。
  • 朱浬さん、紫浬さん姉妹の謎。
  • 真日和の嫁……と言うか、契約悪魔。

 等等。
 とりあえず、重要なのはこの一点。クライマックスにして、智春はヘタレ童貞を卒業し、単なるヘタレになったようです(ヲイコラァッ!)

決戦

 荽部長と橘高会長。そして鋼。現行最強のアスラ・マキーナを操る彼らに対し、文字通り、「みんなの力」を一つにして戦う智春。
 荽部長とも、そして一巡目の自分とも違い、自分一人の力だけで戦うのではなく、思いを一つに重ねて荽部長を、そして"神"を撃破する智春。
 クライマックスにしてハイスクール・パンクらしい賑やかさを取り戻し、それにふさわしいラスト。

キス

 ヒロイン達から祝福のキスをもらいまくる(語弊アリ)智春。とりあえず、もげろ(笑)。
 しかし、操緒が妙に怖く感じるのは自分だけ? 何この本妻の余裕的なアレはwww

氷羽子の救済

 個人的に、一番脱力したのが彼女の救済。そ、それでいいのー!? と読んでてびっくり。まあ、本人的には大いにアリなんだろうが……。
 アニメ、どうするんだろ?

そして、巡る物語

 本編ではほんの少ししか登場しなかった智春の義妹。彼女が、物語の始まりのように、鳴桜邸に引っ越し、高校生活を始める所がエピローグ。
 智春と同じく、射影体を憑かせた彼女の元に現れたのは、朱浬さんならぬ嵩月だった。持ってきたのは、もちろん「あの」トランク――。
"神"無き世界で、再びどんな物語が始まるのか。それは分からないが、一巡目の世界と二巡目の世界の桜が螺旋のように合わさったその姿こそ、これから続いていく新たな物語にふさわしい象徴になっている。
 とりあえず、彼女に次々とイケメンが迫って来る逆ハーレムものになる事は確実(笑)。