EX013「呪われた罪人の烙印」

ストーリー

 洛高二年生の乗った飛行機が加賀篝にハイジャックされた。加賀篝が提示した「イグナイターと人質を交換」と言う要求を受ける智春だったが……。

第一感想

 アニメ『アスラクライン』最終話! そして『アスラクライン2』制作決定ー!
 分割二クールの噂は本当だったのね……。確かに、原作でも、アニメでもここから一気に物語に引き込まれていく所ではあるもんなあ……。
 でも原作のストック分や展開を考えると、そこはかとなく『アスラクライン3』がある様な気もしないではない(今からかよ)。
 以下感想。

結局お金

 珍しく真っ当な意見を出した六夏会長。しかしその本音は、「修学旅行生全員の旅行傷害保険なんて払ってられるか!」と言う事だった。
 あ、やっぱりお金なのね……(苦笑)。しかしお金の重みが多少は分かるようになった今現在の自分からすると、よく分かる意見でもある。加賀篝みたいな変態のせいで、被害を受けてたまるか(ぇ)!

橘高会長

 イグナイターに関して何らかの情報を持っている事。そして、かつてアスラ・マキーナのハンドラーであったエクス・ハンドラーである事。障テ鐵を知っている事。
 シリーズ後半のネタになるが、会長はイグナイターを巡って智春と敵対する立場になる。
 三雲作品はこういう伏線の張り方が巧い。やっぱり、きっちりキャラの立ち位置やら何やら、しっかり計画立ててるって事なんだろうなあ……。

「都合のいい女」?

 三雲作品の三角関係って、こういう「都合のいい女」が必ず登場するよなあ(ヲイコラ)。
 男子的目線で見れば「健気やー!」「きゅーんっ!」等と無邪気に思えるが、嵩月のこういう部分は、女子目線で見ればどうなんだろうか。やはり、ウザイとか思う所なんだろうか?

ハンドラー達

 智春、橘高会長、六夏会長、加賀篝と、最終話だけあって豪華なメンバーで壮絶な(エクス・)ハンドラー同士の戦いが展開される! まあ、智春は飛行機の上では何もしなかったのだけれどもw
 しかし機械仕掛けの悪魔達の壮絶な戦場に颯爽と飛び込んで来る朱浬は流石です。さすが鋼鉄の女! しかし、ホノルルの金属探知機は何を探知したのやら(笑)。それが単に手足に反応した事を、彼女の物騒な装備を知るこちらとしては祈るばかりです。……少なくとも、飛行ユニットは持ち込んで来たらしいけどw

凍えて眠れ

 加賀篝に破壊された飛行機の乗客全員を助けるため、障テ鐵の重力制御で飛行機を安定させる智春。そして佐伯兄もまた、限界を超えた魔力を行使して氷で滑走路を作り出し、乗客を全員救助する事に成功する。
 しかしその代償に、佐伯兄は哀音を喪ってしまう。アスラ・マキーナはベリアル・ドールの魂の質量を削ってハンドラーの願いを叶える。魂を削られていったベリアル・ドールは感情を摩耗させ、やがて消滅してしまう。
 加賀篝が「時間が無い」と言った理由でもあり、そして嵩月が智春を戦わせまいとした理由がついに明らかに!
 智春のハーレム状態やら何やらと、失うものの大きさのギャップ。『アスラクライン』の最大の魅力が、最終話でがつんと提示される。考えてみれば佐伯兄の襲撃で始まり、佐伯兄の喪失でアニメ一クールは終わったわけか……。シリーズ構成の妙に脱帽。

総評

 電撃系ラノベのアニメと言う事で、やっぱりちょっと苦しかった部分が多かったのは事実。専門用語や、伏線の連続は文字媒体でこそ楽しめるもので、映像媒体にするには物足りない所が二つや三つじゃ効かなかった、と言うのはある。
 それでも映像表現ならではの演出やアクションにはキラリと光るものがたったのは確かだ。特にアスラ・マキーナのアクションは素晴らしいの一言! アスラ・マキーナがあんなに素早く動くなんて、小説を読んでいたのに分からなかったよ(笑)。そもそも、アスラ・マキーナの全身図は小説じゃほとんど明らかになって無いもんなあ。挿絵はキャラクターばかりで。やっぱり、ラノベはキャラクターが命、と言う事か。
 まあ、それはともかく。
 哀音の犠牲を経て、ドラマにもぐっと重みが増したアニメ『アスラクライン』。ここからは原作後半のストーリーに踏み込んでいき、これまでの伏線もぐっと回収されていく。どうしても盛り上がりに欠ける前半に対し、後半はまさに息もつかせぬ展開になっていく事だろう。今から『アスラクライン2』の放送が楽しみである。