岩佐まもる『コードギアス 反逆のルルーシュR2 TURN-3-』
コードギアス 反逆のルルーシュ R2 TURN―3― (角川スニーカー文庫)
- 作者: 岩佐まもる,木村貴宏,toi8
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2008/11/29
- メディア: 文庫
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ストーリーは、ルルーシュによるギアス嚮団の虐殺から、スザクのフレイア使用まで。本編をなぞるのではなく、その裏側で何があった? 的な方向で描かれているので、本編を観ていても十分に楽しめる。
以下感想。
ギアスの本質
ギアス能力の本質とは、「他者と溶け合う力」の事だと言う。集合無意識の一つだった人間だが、そこから分かたれ、ペルソナを身につけ個人となった途端に、心には介入不可能となる。ギアスの力は、一時的に、ごく短い時間、かつて集合無意識の一つであったように、再び他者と溶け合う力だった。
ルルーシュのギアスの場合は、絶対遵守。C.C.のギアスは愛されると、他者の精神に介入する能力ばかりなのには、こういう理由があったらしい。ビスマルクのギアスの場合、漠然と未来を予知するのではなく、「個人」の精神に介入し、次にどう動くか視覚化する、と言う事か。
この集合無意識を、もっとファンタジー的に解釈したのが、『ナイトメア・オブ・ナナリー』のギアスになるのか。
親馬鹿シャルル
ゼロ=ルルーシュの日本解放という名目で行われた第二次東京戦。
そこでシャルルは、ナナリーを適当な理由をつけて総督を辞めさせ、本国に戻そうとする。何て言うか、マリアンヌと違い、シャルルには「親としての情」がまだあるようだ。
と言うか、そういう高圧的な愛情が、どこかルルーシュとそっくりで微笑ましさすら感じる。
ナナリー脱出マジック
フレイア弾頭で東京が消えたその時、ショックを受けるルルーシュをしり目に、実はナナリーは脱出していた。
しかしそれはナナリーの意思ではなく、本人にも知らされぬまま、薬を入れた紅茶を飲まされて、その間に――と言うものだった。
実は政庁の地下には直通の脱出路が極秘裏に開発されていたと言う。そんなマジックショーの裏側みたいなトリックがあったのか……。
ルルーシュなら普通掴んでいて当然、と思う情報ではあるが、造られたのが記憶を奪われ活動休止中だったブラックリベリオン後だったので仕方がない所か。
その頃、上空で「ナナリー、ナナリー」言ってるルルーシュを思い浮かべると哀れと言うか何と言うか。