第十六幕「黒子力」

ストーリー

 モヂカラの稽古中、誤って志葉家の家宝の壺を壊してしまった流ノ介達。その事件をきっかけに、流ノ介達は改めて黒子達の有能さを実感する。
 ご近所でも評判のいい黒子達に負けまいと、困った人を見つけては親切の押し売りをしていくのだが……。

第一感想

 今週は『シンケンジャー』感想を先に。
 待望の、黒子達のエピソード!
 あくまで縁の下の存在ながら、愛らしい魅力を発揮する黒子達。今回はその魅力がぎゅっとつまった一本だった。
 一家に一人は欲しいな黒子さん(ヲイ)!
 以下感想。

モヂカラ稽古

 モヂカラの稽古からは始まった今回。
「岩」「枝」「波」等を室内で実体化させてしまい、大パニックになってしまう。しかもそのせいで、黒子の一人が巻き込まれ、持っていた壺も割れてしまう。
 今までも部屋の中でモヂカラの稽古(書き取り)をしていた事があったが、こんな事は無かった。日常生活で文字を書いて、それが実体化したら困るから、当然、シンケンジャーは普通の文字とモヂカラを込めた文字の書きわけができるのだろう。
 それが「うっかりミス」で実体化してしまった事を考えると、モヂカラのコントロールは慣れていても意外と難しいものなのかも知れない。

外道衆の憂い

 基本、迎撃に徹するのがシンケンジャーなので、日常編とも言える今回のようなエピソードの中では、ドラマの進行は主に外道衆サイドで進行する。
 傷ついた十臓を助けた薄皮太夫。両者は共に元人間である、と言う設定がここで開かされる。十臓同様、太夫もいわゆる「はぐれ者」。そりゃあ、そんな女がドウコクの側にいるのはアヤカシとしては面白くないだろう。ドウコクに縛られている、あるいは強さにひれ伏しているアヤカシにとって、ある意味恰好の「叩く」的と言える。
 そんな元人間同士と言う複雑な男女の間で絡む視線。太夫は単に「借りを返しただけ」と言うが、当然、そんな事をドウコクに言えるはずもなく、その事を隠した事に対する感情は、三味線の音色ごしにドウコクに感づかれてしまう。
 ドウコク……。嫁さん(?)の些細な変化に気がつく男はいいと思うが、あなたは、あなたはもうちょっと鈍くいて下さい! きっと、怒りにまかせて斬っちゃうんだろうから……。
 嗚呼、仲良くやってるシンケンジャーをよそに、外道衆がどんどん修羅場の泥沼に突き進んでいく(悲鳴)!

マリゴモリ

 どうして大和屋脚本に登場するアヤカシは、こうも現代の若者的なアヤカシなんだ(笑)。
 昔から日本人はこんな感じとも言いたいのかっ!……まあ、否定はできないんだけれども(苦笑)。
 しかし、他のアヤカシ連中の例に違わず、アルマジロのようなデザインは素敵です。

志葉家の黒子さん

 ご近所の奥様方に大人気の黒子達に吹いたwwwww
 と言うか、外に買い物に行く時にもその格好なのねw
 きっと、ご近所の平和を守るのも黒子達の仕事なのだろう。隙間センサーの設置やら点検。地図の更新等等、家事だけでなくそういう細々とした部分も当然仕事に入っているのだろう、と妄想が膨らむ。
 何と言うか、志葉家に嫁ぐ人は大変そうだ……(どんな感想だよ)。

親切絶賛押し売り中

 流ノ介、千明、ことはのシンケンジャー(精神的に)年下組で、黒子達に負けまいと街を駆け回り絶賛親切を押し売りする。その姿は、とってもうざったい(笑)。
 殿と家臣。とはまた違い、今回は丈瑠と茉子。流ノ介、千明、ことはの二組に分かれた所が個人的に面白かったポイントだった。
 戦隊は五人のキャストが一人になったりペアになったり男女で別れたりと、そういう組み合わせの面白さも見所の一つだが、今回の組み分けは、「精神年齢」で別れている所が面白い。
 しかし、今回も流ノ介が大活躍だ……www

モヂカラの有無

 あれだけ有能な黒子達が戦いに加わらない理由。それは、モヂカラが無いから。
 どうやら外道衆と分類されるものは、例えナナシ一匹であってもモヂカラが無いと倒す事ができない存在であるらしい。
 あの世とこの世の境に棲む、言語に変える事も出来ないような連中を倒せるのは、人間の英知である「文字」であると言うのは、結構意味深な設定だ。このモヂカラの有無があるからこそ、朔太郎のようにドロップアウトしてしまう人間もいるのだろう。自分には、侍を助ける力が無い……と歯がゆい思いをしているのだろうか。と想像させられる。

適材適所

 モヂカラを使える侍と、それを支える有能な黒子達。それぞれがそれぞれあるべき場所で力を尽くす事で、初めてしっかり戦える。
 それを改めて理解した事で、マリゴモリ戦での作戦が決まる。モヂカラにる連携攻撃で一の目を。二の目戦においては兜→舵木→虎と侍武装の連続攻撃でマリゴモリを撃破する。
 シンケンゴールド登場前の販促を兼ねたエピソードと指摘すれば意地が悪いが、それを黒子達に絡めて描いたのはよかった。
 しかし何と言っても、黒子達の愛らしさが全て! の一本だった。一の目倒して喜んでる黒子達がもうギザカワユス(をいをい)!

次回は

 シンケンゴールド登場! ネタバレを見ると、スタッフさんは携帯電話型変身アイテムに新たな息吹を吹き込むようで凄く楽しみw