中島かずき『天元突破グレンラガン(4)』

天元突破グレンラガン 4 (ガガガ文庫)

天元突破グレンラガン 4 (ガガガ文庫)

 シリーズ構成の中島かずき氏が描くノベライズ版『天元突破グレンラガン』最終巻。
 ヨマコ先生の登場からアンチスパイラルとの最終決戦まで、怒涛の展開で「語り尽くせば日もまた昇る」物語が語られる。
 この最終巻で個人的に最大の見どころだと思うのが、キッド、アイラック、アーテンボロー達の死の変更。彼らが死力を尽くして戦い、散っていった事は変わらないが、その理由が大きく変更されている。
 超絶螺旋発動機関となって、螺旋力を振り絞るシモン。しかし彼とて生身の人間、限界が訪れ休まねばならなくなってしまう。そのシモンが、キッド達の犠牲で休めた時間、それが「一分一秒」だった。本編とはまた違った重い意味合いを持つ「忘れるものか、この一分一秒を」に体が震える!
 ノベライズでも魅せてくれた『グレンラガン』であった。