最終話「キミがあしたのレスキューフォースだ」

ストーリー

 バーツを倒して一ヶ月。平和な日々を過ごすレスキューフォースのメンバー達は新たな旅立ちの時を迎えていた。
 だがそんな時、マール達が脱走。バッテリーと間違えて、捨ててあった失敗作の災害メカを動かしてしまう。

第一感想

トミカヒーロー レスキューフォース』ばくちんかんりょう!
 自らの恐怖を乗り越える、輝の勇気が輝いていた最終話だった。
 以下感想。

それぞれの道へ

 バーツとの戦いから一ヶ月。輝と石黒以外の三人は、それぞれ考えた末、レスキューフォースを離れそれぞれの将来を選ぶ。
 響助は地方の消防に転属。初代R2、神谷との出会いが影響を与えているのは想像に難くない。
 レイは訓練学校の教官に。徹平親子との時間が取れるように……と言うのはうがち過ぎ?
 そして寿里はナンシーこと、総指令の助手に。彼女だけ「本気だったのか」と疑われるのが微妙に気の毒(笑)。と言うか、メンバーの中で一番の出世頭は寿里になるのか……。

レスキューストライカ

 ああ、レスキューストライカーが復活しているッ。と微妙に驚く。
 でもまぁ、そも中型ビークルと合体する際のコアとなるビークルなのだから、輝達の操縦する一台だけとは限らないので、一ヶ月で復活していても不思議ではないか。

逃げ出した三人

 ラボから逃げ出したマール達三人。すでにマーエンは死んでいてもういない、と知りながらも、ネオテーラのアンドロイドとしての存在意義を最後まで全うしようとする姿にはちょっと涙。
 でも、充電機と間違えて失敗作の災害メカを発動させてしまうなど、相変わらずトラブルメーカー気質だなぁ。まぁ、それが製造目的なんだから仕方がないと言えば仕方がないのかも知れない。
 だが、小学校で出会ったマーエン似の女の子(……と言っても、どうも本人達はマーエンと思いこもうとしたフシがあるが)をレスキューするため、バッテリーを振り絞って輝をさらい、その姿を見た事で、「レスキューも悪くない」と思い直す。
 彼らに芽生えたその感情が、後に総指令に拾われ、ノリノリで見習いとして働いている事にもつながっているのだろう。彼らもネオテーラ=大淵によって作られたアンドロイドなのだから、レスキューに携わると言う選択も十分アリのはずだ。
 三馬鹿の明るい未来にエールを送りたい。
 しかし、マールはデフォルトでメイドさんなのねーwwwww

災害ガス

 マール達が間違って発動させてしまったのは、ガスを噴霧する災害メカ。
 ガスは吸っても命に別状は無いが、吸った人間を怖がりにして、大げさな幻を見せる効果を持つ。
 確かに失敗作かも知れないが、響助が危惧したように、二次災害等の被害が凄まじい事になりそうなガスだ。災害以上に、人間が起こすパニックほど怖いものは無い。
 バーツが「人類が地球を滅ぼす」と計算した事を踏まえると、厭味ったらしいと言うか何と言うか、憎たらしいガスであった。

レスキューフォースと子ども達

 ゲストに子どもが多く出演するのが『レスキューフォース』の特徴であり、最後の最後も小学校が舞台となった。
 その中で、それぞれの隊員達の子ども達との接し方が印象に残る。
 R2=響助は、神谷のように子どもと同じ目線で接し、彼ら自身の手で恐怖を克服させようとする。
 R4=寿里は、子ども達と共に理解室でガスの中和剤を作る。
 しかしR3=レイだけは、「うるさいっ」と子どもの尻を叩いて黙らせる。って、あーたwwwwww
 さすがアニキ、子どもとの接し方まで男前ですw

レスキュー人、輝

 ガスを吸ってしまった輝は、ちょっとした火や高さも超災害クラスの災害に見えてしまう。その中で、「超火災発生ー!」とか、いかにも『レスキューファイアー』で登場しそうな怪人(?)が現れたのはサービスかw
 どんなものも怖いと感じるようになってしまった輝。マーエン似の少女を助ける事も危うかったが、これまでのレスキューで、輝を支えてきた物。助けたいと思う心。レスキューした人々の笑顔を思い出し、ついに自らの力で恐怖を克服する。
 ガスを中和しないまま、恐怖を感じながらレスキューする輝。レスキューする人間として、彼がこの一年の間どれほど成長してきた分かるシーンであった。

「みんなも未来のレスキューフォースだ!」

 バーツが計算した地球の未来。それは、人類が地球を滅ぼす、と言うものだった。事実、ネオテーラは大淵の悪の心。人間に失望した心が生み出した言っても過言では無い組織。そしてネオテーラが無くなっても、超災害は終わらない。
 だが、これからレスキューフォースが伝えていくレスキュー魂を、これからの子ども達が。そして大人達がしっかり感じていく事で、その未来を変えていく事ができるはず。
 そういうストレートなレスキューフォースのメッセージが心地よいラストだった。

総評

 最初は何だか「ユルいなー」と思っていた『レスキューフォース』。しかし現在メインとなっているスーパー戦隊シリーズ仮面ライダーシリーズではなかなかできない「子ども達へのメッセージ性」と言う点では、その追随を許さない傑作だった。
 一人一人のレスキュー魂が、地球を救う! レスキューに奔走し続ける輝達の姿は、そんな強い力に満ちている。
 中盤、ダーエン/大淵の登場からハードに寄って来たストーリーも、時々こちらが面を喰らうほどのコメディでひっくり返されたりと、ストーリー面でも楽しませてもらった。まぁ具体的に言うと、アニキとかアニキとか。後はアネキとか(笑)。
 CGクオリティの高さはもはや言うに及ばず、一年間楽しめた傑作だった。
 自分もいつか、彼らのように、彼らと共に「爆鎮完了!」と言える人間でありたいと思わされた。
 スタッフ、キャストの皆さん、お疲れ様でした!

次回は

 新シリーズ『トミカヒーロー レスキューファイアー』スタート!