矢野健太郎『BB戦士三国伝 英雄激突編(2)』

『三国伝』英雄激突編の第二巻。
 ついに始まった曹操の南方攻略。
 これに対し、第一巻のラストで劉備陣営に参加した孔明初の戦いであり、張飛最大の見せ場である長板橋の戦いから始まって、さらに関羽との激突。そこから関平周倉達と共に曹操陣営を脱走する関羽の千里行。
 江東に向かう劉備を援護する趙雲の不屈の単騎駆け。
 風雲豪傑編以来となる孫権、尚香の再登場。強襲水軍の協力。
 そこから合肥攻め〜、とストーリーは流れていき、中盤のだるみも感じさせない怒涛の展開となっている。
三国志』のエピソードを巧く『三国伝』の見せ場に置き換えていくその手腕は、今回もやはり見事の一言。また、第二巻でも侠達の熱い名言は変わらない。
 その中でも特に印象に残るのが周倉のこのセリフ。

「死ぬなンてのは一番楽な逃げ方だ 卑怯者のする事だ 死にたいぐれェ辛い時に這いつくばってでも生きる! それでこそ侠じゃねェか」

 これを胸に刻みつけて、生きていきたい。