朱川湊人『ウルトラマンメビウス アンデレスホリゾント』第5話「幸福の王子(中編)」(『ジャーロ』2009.SPRING)
ストーリー
巨大な宇宙怪獣から流れ続けるホリエサエコの乗った宇宙船ガーベラの救難信号。これとコンタクトすべく、GUYSは作戦を開始する。
第一感想
相変わらず小ネタから大ネタまで満載で読み応え満載の『アンデレスホリゾント』。
素直にハッピーエンドと行きそうでどこか行きそうにない展開にハラハラしながら読み進め、さらに後編が待ち遠しい中編だった。
以下感想。
各国のガンフェニックス
GUYS各国のガンフェニックスが登場。
GUYS USAのガンフェニックスストライカーは通称ストライクサンダー。ガンブースターは独自の改造を加えたパワード・ガンブースター。
しかしそんなGUYS USAの評価が、
「USAの連中は、やたら独自で改造してパワード何とかって名前を付けたがるけど、どれも今イチなんだよなぁ」
って酷い(笑)。「パワード」だって、そんなに悪くないよ!
さらにGUYS チャイナの機体は、独自にドラゴンのペインティングがなされているなど、それぞれGUYS JAPANのファイヤーパターン同様にバリエーションがあるのが面白い。
ギガンティア/ユーゼアル
宇宙船ガーベラを体内に収め、救難信号を放ちながら飛行を続ける宇宙怪獣。
GUYSは仮のレジストコードとして「ギガンティア」と名づけたが、それに異を唱える者が現れる。それは何と、メイツ星人のビオだった。
母星に帰れば刑罰が待つ身であるため、ふてぶてしくも地球に住みたいと言って来た。何とまぁ、顔のツラの厚い宇宙人である。
ともあれ、ビオと、そしてミライの言葉で、宇宙怪獣が宇宙人の間でユーゼアルと呼ばれる存在である事が判明する。
その怪獣は、困っている惑星や迷った旅人を故郷に返すと言う、まるで天使のような宇宙怪獣だったのだ。
だが、その宇宙怪獣はどうやら攻撃を受けるたび、体を戦闘に適した体に変化させる事の出来る怪獣のようで……。これがGUYSと激突する要因となりえるようで怖いところだ。
コノミと育児
素人集団なれど、それぞれの知恵と勇気でプロフェッショナルにも負けない活躍を見せるのがGUYS JAPANクルー。
ユーゼアルとコンタクトするためにコノミが提案したのは、「オウム返し」。同じ言葉を互いに繰り返して共感を得る手段を、宇宙怪獣であるユーゼアルに応用する作戦に出る。
この辺り、きっちり本編設定を活かしているなぁ、と感心する部分だ。コノミの優しさは、特に怪獣に強いなぁ。
カナタと母と父
カナタの父が消えた事で、精神が対抗してしまったカナタの母。
しかし現在、ゆっくりと母の中で時間は進み、回復の兆しを見せている。もしここで、父が帰ってきたら母は元に戻るのか。それとも、またショックを受けてもっとひどい事になってしまうのか……。
『アンデレスホリゾント』のメインキャラであるカナタの重大なドラマなだけに、ドキドキハラハラものだ。
次回で、そのすべてが明らかになるはずだが……。ああ、次回が待ちきれない!