48th sense.「理力騒然!見えざる脅威」

ストーリー

 任務中に能力を暴走させてしまった薫は、次の任務につけず一人で留守番をする事になってしまう。
 寂しく感じていた薫だったが、そこに澪が現れる。ブラック・ファントムのエスパーと戦うため、力を必要とされた薫はパンドラと共に戦う事に。

第一感想

「自分は自分が思っていたよりもずっと多くのものに守られていた」
 と認識するのは成長の証だから、まぁいいのだけれども。
「守られた分、守り返す」
 と言うのは、どうかな……? と思ったエピソード。
 大切なのは、「誰を」守り返すか、と言う事だと思う。無制限に他人を守り返そうと思ったら、キリが無いし、いざという時、本当に守りたいものを犠牲にしてしまう事にもつながりかねない。
 取捨選択できず「同類」と言うだけで守ろうとする……。その時点で、薫は厳密な意味で「女王」とは言えない。
 大切なものがあるんだから、それだけ守ってればいいんだよ、この箱入り娘め。と、パンドラメンバーと違う意味でムカツク(苦笑)。
 以下感想。

ホテル・プランクトン

 やっぱりあのホテルのパロディ? と思ってたら。
「姉さん、事件です!」
 やっぱりかー(笑)!

「君は来なくていい」

 皆本が、そして薫の姉が薫に言った言葉。言葉の裏には、薫は辛い事、醜いものを見なくていいんだよ、と言う保護者の隠れた本音があるわけなのだが、薫は見事にストレートに受け止め凹んでしまう。
 その上、澪達パンドラメンバーに逆に「必要」とされる事を喜ばしく感じる心理状態になってしまう。
 ……話をちょっと入れ替えれば、風俗で求められる事が嬉しかった、とかあの手の手記と同じ状況になっているような気がする(苦笑)。
 個人的な意見だが、「必要」「不必要」と強く感じるのは、十代よりもむしろ二十代あたりになってからだと思うのだが。そこの所は、薫が能力故、大人と同じような事を求められていた、とそういう事か。

薫、女王の風格

 パティが乗った飛行機を先制攻撃したパンドラメンバーを一喝し、救助活動をさせる薫。
 その際に発した力は、まさに女王の風格。エスパーならば誰しも従ってしまう力。確かにそれは薫のギフト……天賦の才なのだろうが、どこまでも疑問なのが、それは薫の精神性とどこまで一致しているのか、と言う事だ。
 エスパーとしての力は女王だが、薫と言う精神性は、ごく普通の、どこにでもいそうな「女の子」のようである。
 そのギャップ、薫の危うげな部分が、予知の「天使と悪魔、どちらでもない」の部分であるのだろうか。

パティ

 原作では腐女子まっしぐら(笑)なパティだが、この時点では至って真面目にブラック・ファントムの洗脳エスパーである。
 ああ、このこの頃のパティが違う意味で眩しい(笑)。

ツンデレ・澪

 ツンデレまっしぐら、な澪。と同時に桃太郎もこなす。薫に対して正反対に見えて同じ好意を示す一人二役をこなす声優さんはやっぱり凄いな。

悪役・兵部

 小さな頃、一番大事な時期に怖がられ、手を握ってもらえなかった。
 その飢えを決定打に、パンドラサイドに引き込もうとする兵部の悪役笑顔と来たら……! どこからどう見ても、少女を搾取する立派な大人です。いつまでもガキなんて思ってて、ごめんなさい。

次回は

 原作の暫定最終話が登場!
 ブラック・ファントム絡みのエピソードと言う事で、ユーリの出番も増えそう……?