第三幕「腕退治腕比」

ストーリー

 侍の生活は常に稽古し、自分を鍛える毎日。だが侍としての自覚の足りない千明は、そんな生活に嫌気がさして稽古を放り出してしまう。
 友達と遊んでいた千明だったが、そこにアヤカシ、ロクロネリが出現。変身して戦うが、一人ではかなわず、友達には怪我をさせてしまうのだった。

第一感想

 雷撃ディスクが凄くあっさり登場! 元々丈瑠が持っていた初期装備の一つ? と言う事なのだろう。
 どうでもいい事だが気になったのでここで。
 以下感想。

侍の毎日

 毎日稽古し、自分を鍛えるシンケンジャー。しかし千明は自覚が足りず、寝坊ばかり。
 そして流ノ介は、下はパジャマのまま(笑)。しかもその場で着替え! 千明の出番を喰う、まさに軍平の血を継ぐ侍である(笑)。

水切れ

 今回登場した外道衆の設定。それが水切れ。元々三途の川に棲む外道衆達は長い間三途の川を離れて人間の世界にいる事は出来ず、時間が経つと乾いてしまう。
 そのため、三途の川を増水させ、行動範囲を広げる、と言うのが外道衆の目的であるあしい。
 とするなら、船に乗っているドウコク達はまさに贅沢者なのはないだろうか。土地持ちならぬ船持ちとでも言おうか。
 しかし、ドウコクや薄皮辺りの関係は実にいい! 臨獣殿の若夫婦やガイアークの仲良しぶりとは違う、まさに時代劇の兄さん姉さんの関係か。

過去を捨てる覚悟

 自由の無いシンケンジャーの生活に飽き飽きして稽古をサボり、友達と遊び歩く千明。しかし現代人の感覚からすれば、これこそ「普通」で、シンケンジャーの生活がどれほど「異常」であるか浮き彫りになっていく。
 しかしそんな「異常」に対する千明の覚悟の無さが、友人二人に大怪我をさせる事になってしまう。
 シンケンジャーが過去や家族を捨てるのは他ならぬ「家族や友人を巻き込まないため」。人々を守るために自分のすべてを犠牲にする、それがシンケンジャーだと示す丈瑠。これまでも身を張って外道衆と戦い、子どもを守って来た丈瑠が言うだけに、重みがある一言。
「自分の意思」で戦える。そういう意味ではライトな戦隊が続いただけに、『シンケンジャー』にある歴史の重み、と言うものが浮かび上がる。

若侍とお殿様

 丈瑠だって年齢からみれば若殿様、と言っていいのだが、そういう若くて未熟なポジションには、千明がつくようだ。一方で丈瑠は、侍として完成された、目標となるべき存在。まさに殿として設定されている。
 ロクロネリの伸びる腕への対処一つとっても、千明は一か八か走り回って腕を封じる。片や丈瑠はじっと動かず殺気を読む、とまさに一段上の実力の違いを見せつける。
 丈瑠を超える事を目標に走りだした千明。颯爽と丈瑠をも追い抜いていく「一番槍」の姿が爽やかなエピソードだった。

次回は

 流ノ介メイン! 軍平を超える男、ついに主役!? って茉子もか!