たくま朋正『コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリー』CODE 22「魔王ロロⅢ -つくられし者たち-」(月刊『コンプエース』VOL.033)

ストーリー

 枢機卿ロロとアリスの戦いがついに始まった。ロロのギアス、ジ・アイスの本質を理解しロロに迫るアリス。だが、ロロにナナリーを人質にされ、形勢は逆転し……?

第一感想

 三か月ぶりの『ナイトメア・オブ・ナナリー』感想その一。こんなに遅れて、申し訳ないの一言です……。
 このエピソードの表紙アオリは、

因縁発動! 反逆はNOW(いま)!

 いや、NOWって(笑)。
 以下感想。

ジ・アイス

 これまでは相手を凍らせると言う能力にしか見えなかったジ・アイス。
 しかしその能力の本質は「事象の世界観を微分し、すべての運動を凍らせる」事。その凍らせる対象は、「時間」にすら及ぶ!
 こんなの本編で登場してたらどうしようもありません! な、ある意味最強ギアスだった。
 しかしその驚愕の能力すら、コードギアスの力を得たアリスには通じない。エデンバイタルの高次元にアクセスし、ジ・アイスの能力の本質が「テリトリー内の対象の運動を一定時間凍結する」事を知り、ザ・スピードでそのテリトリーから逃れ、反撃してのける。
 まさにナナリー姫の騎士として破格の能力を得たアリスだったが……。

人質ナナリー

 枢機卿ロロの攻撃は実はオトリ。本当の目的は、コードギアスの量子シフトの痕跡を辿り、ナナリーを捕獲する事。
 アーニャのトリスタンにナナリーを人質にされ飛び出したアリスに、満を持してのジ・アイスが炸裂!

ザ・スピードの真骨頂

 だが、ジ・アイスのテリトリー内にいるアリスにはまだ切り札が残っていた。
 ジ・アイスが「事象の世界観を微分し、時間を限りなくゼロにする能力」である以上、時間が完全に停止しているわけではない。アリスはザ・スピードのギアスでわずかな加速を無限大に増幅させ、ジ・アイスのテリトリーを粉砕! そのままの勢いでロロをも撃破する!
 二転三転する能力バトル! 本編『コードギアス』とはまた違った、少年漫画チックな興奮させられる能力バトルだった。しかし、相変わらずこっちのギアスは能力的に無敵すぎる……!

魔王ロロの真実

 これまで絶対無敵を誇っていた魔王ロロ。しかし彼も、真正の魔王では無かった。
 C.C.細胞を皇帝とマリアンヌの受精卵卵に直接注入し培養された、人造の魔王。それが彼の正体だった。彼が自ら拠り所としていた記憶は、皇帝により与えられたものだった。
 人造ワイアードの完成個体だとアーニャに知らされ、逆上しそのまま彼女に襲いかかるが、アーニャにマリアンヌの面影を見たロロはそのまま、アーニャの胸の中でその最後を遂げるのだった。
 やはり漫画でも、アーニャとマリアンヌには大きな関係があるらしい。本編同様、マリアンヌがアーニャの中にいるのか、はたまた……?
 そして、そのアーニャから神根島への情報を与えられたアリス。次に向かうは、そのまま神根島か……?

最後のアオリ

 ロロが持っていたロケットの中には、マリアンヌ、ルルーシュ、ナナリーの写真が。最後まで偽りの記憶であっても、家族の面影を求めていたロロの心情に涙。
 アオリの、

渇望したのは母の愛
得られしは母の面影
――氷の魔王よサラバ!

にも、ロロが編集部的にも愛されていたんだなぁ、と思わされてさらに涙。氷の魔王よ、サラバ! あとはコミックスで会おう(ぇー)!