第42話「こまちの決意とアラビアンナイト」

ストーリー

 ついにアナコンディから戦力外通知を受けてしまったシビレッタ。シビレッタは切り札とも言える本を使い、プリキュア達を分断するが……。

第一感想

 シビレッタに戦力外通知をするアナコンディの嬉しそうな顔と言ったら……!
 これまでの四二話の中で、一番いい笑顔だったのではないだろうか。朝の冷たい空気の中、違う意味で背筋が冷たくなった笑顔だった。
 以下感想。

こまちの危惧/のぞみのいい笑顔

 世の中には物語で満ち溢れていて、例え自分が物語を書いたとしても、大量の物語の中に埋もれてしまい、誰にも分からないのではないだろうか?
 そんなこまちの憂鬱……と言うか危惧? に、のぞみが笑顔で「見つけ出す!」と応えるのだった。
 えっと……ほんとこの娘は、ある種の人間の心を鷲掴みにする事が巧い娘です。こういう天真爛漫すぎる笑顔は、かれんにはできない芸当です。ごめんなさい(ヲイ)。

アラビアンナイトの世界へ

 シビレッタの切り札、終わりのない物語『アライビアンナイト』の世界に別々に誘い込まれたプリキュア達。
 熱い砂漠。四〇人のシロップ。空飛ぶ絨毯。巨大なエリマキトカゲ(ホシイナー)……などなど、確かに切り札的な直接的暴力色の強い物語w
 しかし、『アラビアンナイト』(千夜一夜物語)は、「妻の不貞を見て女性不信となったシャフリヤール王が国の若い女性と一夜を過ごしては殺していたのを止めさせる為、シャハラザードが自ら王の元に嫁ぎ、千夜に渡って毎夜王に話をしては気を紛らわさせ、終に殺すのを止めさせた」と言う物語。
 作者――と言うか、物語の語り手の勇気が、シビレッタが利己的に物語を利用する事を拒否するように、のぞみ達の強い思いに応え、別々の場所にいたのぞみ達を再会させるのだった。
「本なんて道具」
「どんな読み方をしたっていい」 
 とはシビレッタの談だが、作者の感情を無視して、自分の都合のいいように本を読む、と言う事は自分にもままある事。
 しかしプリキュア達は作り手の想いを汲み取る事が大切なのだと、今回のように本のみならず、色々な所で強調している。他人を思いやる事――そこから派生した考えだが、いつでもこういう考えを忘れたくないと、いつも『プリキュア5』は思わせてくれる。

開け……

 仮面ライダー1号のポーズを雄々しく決めて、「開け米ー!」と言い放ったのぞみにとりあえず爆笑したwwwww
 のぞみの場合、ほんとに「米」で覚えていそうだから困るw

無敵のアクションシーン

 今週のアクションは、ほんとに凄い事に……。と言うか、こまち(ミント)メインってこういう時多いなぁ。
 相変わらずプリキュア5内で無敵の称号を欲しいままにするキュアミントだが、今回はドリームとの合体技やら全員での連続攻撃やらで、凄い事になっていた。相変わらず、ガチで戦う乙女達である。

シビレッタの孤独

 今週明かされた意外な事実。それは、シビレッタがシャハラザードのように館長に読み聞かせを行っていた事だった。
 しかし館長はそれに何の感動を覚える事も無く、シビレッタは自分や本の無力を味わうばかりだったようだ。
 第一期では、本当に悪いのはデスパライアでは無くカワリーノだった。でも、エターナルの場合、館長が本気で悪いような気がする。館長は、作り手―― 一生懸命何かを作る人間の心をあまりにも無視ししてるような気がするのだ。それはまた、次週明らかになるだろうが。