episode:「ケータイが生まれた日」

ストーリー

 ケイタとセブンが口喧嘩する姿を見た水戸は、二人を秘密基地へと連れていく。そこには、かつて水戸と宗田、伊達の三人が開発したフォンブレイバーの試作機が並んでいた。
 二人は水戸から、フォンブレイバーが生まれた経緯を聞くのだった。

第一感想

 今回の『ケータイ捜査官7』は若干『プロジェクトX』風味。
 三人の男達がどういう経緯でフォンブレイバーを制作するに至ったか……その経緯が描かれた。いつもより平均年齢大幅高めで、映像的にも見ごたえがありの一作だった。
 以下感想。

ケイタとセブンの口喧嘩

 アンカー基地で、ケイタがPCで夜な夜なDLしている思春期画像をネタにからかうセブン。おまッ尻かくなwwwww
 どんな学習しているこの萌えケータイ! しかも若干S入ってるし! まぁ、そういう姿が非常に微笑ましくて逆にいいのだが……。まるで空気のように、自然な会話の応酬が楽しい。
 所で、PCにDLしていると言う事は、当然パソコンを乗っ取ってるゼロワンにも中身はただ漏れと言う事か。ケイタの思春期は大変です(笑)。

ご隠居の秘密基地

 あまりに自然に会話している姿に、ご隠居、宗田、伊達三人の夢の結実を見る一方、間明の悪意も感じるご隠居。そこでご隠居は、ケイタとセブンを秘密基地に連れて行き、フォンブレイバー誕生秘話を語って聞かせる事に。
 ご隠居がいつもの太平楽な態度の裏に、ケイタとセブンの関係性が築く未来に対し、真剣にメッセージを送っているのが分かるシーン。
 二人の関係性は間明の言うように危険極まるネガティブな未来を作るものでは無く、三人の夢の結実と言うポジティブな未来のためにあるのだと、そう伝えたいのが分かる。

三人の出会い

 宗田は、来るべきユビキタス社会。そこからさらに発展した、消費者各個人に合わせたAI社会を作るため、ロボット工学に詳しい水戸のご隠居をスカウト。さらにご隠居に紹介され、伊達も開発に加わった。
 しかし、宗田がロボットに求めるものは「消費者の愛情と感情移入を誘うもの」であり、一緒にいたいと思う物。一方の伊達がロボットに求めるものは、「人間の役に立つ機能」と、それぞれ正反対、水と油のようなものだった。そんな二人をまとめるのがご隠居の役目だったようだ。
 コーヒーと羊羹を交互に食べながら辛うじてつながるチームの危うさと、そこはかとない相性の良さ、御隠居曰く「とんでもない事が出来そうな予感」がしそうな、不思議な一シーンであった。

デンジロー

 ご隠居が「感情移入」と「機能」を両立させるものを見出したのは携帯電話。そのアイディアのきっかけとなったのが、子どもが携帯電話に名前をつけている事だった。
 まだ小さい子どもが、喧嘩した後メールを送って仲直り、とは「凄い時代になったなー」などとオッサンのように驚くばかり(ヲイ)。
 しかし子どもと言うのはああいったものに憧れるものだし、いざ持たせるとあっという間に機能を開拓して使いこなしてしまう。それに、物に名前を付けて感情移入だってしてしまう。いかにもご都合な印象を受けるかもしれないが、実は、とってもリアルな描写だったと感心するばかりだ。

夢の形が走り出す

 かくして、ご隠居のアイディアに宗田のAI。伊達のロボットボディが組み合わさって、フォンブレイバーは誕生した。
 人間とフォンブレイバー=ケイタとセブンが口喧嘩しつつ、共に事件に立ち向かっていく。その姿は、開発者三人が一〇年がかりで駆け抜けた夢の結実そのものと言えるだろう。
 次の一〇年間で、果たしてどのような進化を見せるのか。開発からちょうど一〇年と言う事で、最初期のゼロワンは、ある意味でがっつり思春期に突入していたわけだ(笑)。思春期を抜けたAIがさらに成熟した時、そこには間明が懸念する危険な未来が待っているのかも知れない。だがケイタとセブンの二人なら、もう少し明るい未来を作ってくれるだろうと希望が持てるような気がする。
 ケイタは滝本から。セブンやゼロワンはご隠居達三人から、それぞれかけがえのないものを受け継いでいるのだから。

敵の正体

 重役三人の良エピソードが公開されて気になるのが、アンダーアンカーにいると言う「真の敵」。まさかこの三人の内の誰か、あるいは三人全員が「敵」だとは思いたくない……。
 やはり怪しいのは、あの政治家の秘書と政治家か……?

次回は

 大型ブーストフォン、PCソリッド登場!