三雲岳斗『アスラクライン(10)科學部カイメツ』
- 作者: 三雲岳斗,和狸ナオ
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2008/06/10
- メディア: 文庫
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タイトルの「科學部カイメツ」の言葉通り、今回は科學部が壊滅すると言うとんでもない事態に。
さらに、これまでの事件の黒幕も姿を現して、いよいよラストが近づいている予感。
以下感想。
今回も大活躍なともは
おそらく電撃文庫で最も女装が似合う主人公・智春が女装した姿であるともは。前回は全編に渡り大活躍したが、今回も脱出から潜入まで大活躍!
まったく、罪作りな主人公だぜ……!
進む非在化
非在化自体の脅威はこれまでも語られてきたが、今回はこれが一気に進んだ。嵩月は大きなダメージを受け、また真日和の契約悪魔も相当ヒドイ事になっていらしい。
これが明らかになった事で、ストーリーに一層の重みが増して来たように思う。
跳躍者(リーパー)達
現れた環緒。そして智春の兄・直貴の正体が明らかになる。
彼らの正体は、一巡目の世界から二巡目の世界へと跳躍してきた人間達であった。しかもその数は多く、現在の時間軸に飛べなかった跳躍者の子孫が、嵩月ら悪魔の子孫となり、それぞれの生徒会のスポンサーとなる組織を作ったらしい。
と言うわけで、環緒や直貴は、一巡目の世界の操緒や智春ら本人その人であった。
彼らの目的は、世界の破滅を防ぐ事。特に直貴は接続された並行世界を全て切り離すと言う目的を持っていたが、今回現れた黒幕に殺害されてしまう……。
現れた黒幕
これまでも暗躍してきた鳳島氷羽子。そして元演操者のピカソ仮面こと橘高冬琉。さらに鳳島氷羽子の契約者である荽塔貴也が黒幕として現れた。何と科學部部長が黒幕としての登場である。
直貴を殺し、アスラ・マキーナ鋼を奪い、新たなに世界をやり直そうと画策する。目的は、冬琉の姉である秋季を甦らせる事、とか何かだろうか。
失ったものを取り返す。そういう意味では智春と同じであるが、智春は彼を決して認めようとしない。しかし彼はアスラクラインになってしまったので、戦闘能力の差はもはや歴然だ。智春がどうやって対抗していくか、が注目。
一巡目の世界
荽との戦いで、一巡目の世界に飛ばされてしまった智春。
次回はいよいよ、謎に包まれていた一巡目の世界の謎が明らかに!?