百瀬千代『ブラスレイター ジャッジメント』
- 作者: 百瀬千代,Niθ,ゴンゾ,ニトロプラス
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2008/07/01
- メディア: 文庫
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上下巻と言う都合からゲルトはいないし、マレクもメインには絡まないが、その分ジョセフとアマンダをメインに据えて、濃い展開になっている。
以下感想。
ノベライズの位置
このノベライズは基本的にアニメに沿ったものになっている。ジョセフやザーギン、ツヴェルフ等の設定は共通しているが、マルコと言うオリジナルキャラクターが存在し、アマンダがザーギン達に連れ去られる等オリジナルな展開になっているのが特徴。
また、コミカライズされている『ブラスレイター ジェネティック』と設定を共有しているのもアニメと同じで、下巻ではアニメ同様スノウが登場予定であるらしい。
基本はアニメと同じながら、ノベライズ独自の展開を見せている。
ジョセフの心境
アニメでは最初はゲルトが主役だったし、普段はあまりに話さないジョセフだが、ノベライズでは彼の心境が文字ではっきりつづられているのが特徴。
ブラスレイターとしての力を発揮するのを恐れ、ガルムを変形もさせず、機械(ガルム)との融合もせず、ただただ徒手空拳のみで一〇年間もザーギンを追い続けて戦い続けた事。ナノマシンを放出し、自身のイメージに沿った武器や能力を拡張していくブラスレイターだが、あまりに人間離れしたイメージを持つのを恐れる心。
このように、ジョセフはブラスレイターとなり人間離れした姿になった事に対する恐怖が強く描かれている。と同時に、それでもザーギンを追い続けると言う強い決意が見て取れ、その弱さゆえの強さ、と言うジョセフの魅力を引き出しているように思える。
ナノマシンの設定
アニメではまだ披露されていないが、ジョセフ達の右手の「悪魔の紋章」についての設定があるのも特徴。
ジョセフ達をブラスレイターに変えたナノマシンに適合する遺伝子はすべてで七二種類。この数と一致したソロモン七二柱の悪魔と同じ紋章を後付けで組み込んだ、と言う設定になっている。
ザーギンがツヴェルフの理想とするナノマシンのパターン、第一位バアルであるのに対し、ジョセフは第七二位アンドロマリウス。最上位と最下位と言う戦いでもあるが、それ故にアンドロマリウスは未知の部分も多く、ザーギンに勝てる可能性があると言う。
アマンダ
大切な人々を守りたい。しかし、守るためには力が要る。
そう理解して、戦っているのがノベライズのアマンダと言うキャラクターである。しかし今の彼女では当然力が不足していて、ザーギン達に連れ去られてしまう。
これからジョセフと出会う事で、力と言うものに対してどんな答えを見つけ出していくのだろうか。
下巻は
スノウの登場、ザーギンとの決着と、色々てんこ盛りの予感で期待!