久正人『ジャバウォッキー(5)』
- 作者: 久正人
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/06/23
- メディア: コミック
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今回五巻は、前回から続き。パリ万博を狙う大狙撃作戦を阻止せよ!「MATCH/POMP」。そしてあの白鯨=モビーディックの正体は恐竜だった!?「BUCK&DICK」を収録!
予測できたらと思ったらまったく予測できない方向から銃弾を撃ちこまれる、そんな息もつかせぬストーリーに酔っぱらう事は必定!
また、今巻でもゲストイラストが掲載。今回はコミカライズ『交響詩篇エウレカセブン』を手がけた片岡人生・近藤一馬両氏。柔らかくて男気と色気に溢れたサバタ&リリーは必見!
相変わらず作者の小ネタがピリリと聞いているのが特徴だが、
ってのは、ある意味マズクありません(笑)?
以下感想!
「MATCH/POMP」
見所
この「MATCH/POMP」最大の見所は二つ。「有翼の蛇」教団の教祖、と言う明確なラスボスが登場した事。そしてもう一つが、黄燐マッチ。
- 教祖・始祖鳥
これまでも「恐竜こそが地上の正統な持ち主」と言う思想を持った恐竜は多かったが、今回はその最右翼みたいな連中。
恐竜でありながら翼を持つ恐竜=始祖鳥の存在に恐竜主権の正当性を求め、こいつは「地上も空も恐竜のもの」と言う凄い事を言い出すのだ(そのくせ本人は飛べないが。でも時速六〇キロで走る事はできる)。他の恐竜を肉の壁にする使い捨て思考など、もう恐竜も人類も関係なく、「知能」を持つ生物として怖い。
- 黄燐マッチ
毒性もあり、おまけにちょっとした衝撃ですぐ自然発火する危険きわまるマッチ。それが最後の最後で、大狙撃を阻止する決め手となる! 結局万博を危機に追い込んだのも人間の知恵なら、救ったのも人間の知恵だった、そんな皮肉さが巧い。
「BUCK&DICK」
見所
「BUCK&DICK」の見所は二つ。あの白鯨=ボビーディックの正体が恐竜だった事。そしてもう一つが、サバタ&リリーの黄金カップルに亀裂の危機が!
モビーディックの正体
- 海の怪物って何だろう?
個人的にはジョーンズ、ガメラ(ぇ)、そしてモビーディックである。そのモビーディックの正体がリオプレイドロンと呼ばれる恐竜だったと設定するとは!
それをティラノサウルス(コイツがまたイメージを覆す頭の悪さ!)が匂いで操る、と言うギミックが面白い。水中と言われれば音や光を連想するが、鮫などに見られるように嗅覚も有用な器官だしなぁ。
- 三角関係
サバサ&リリーの間に割って入る? 形になった新たな女・スターバック。彼女の参入で、一気に関係がギクシャクに。
個人的には、めったな事でヤキモチなんて焼かないリリーのそういう一面も見れただけで十分楽しいからオッケー(何)。
その他箇条書き
- 世界を魅了する水着リリー。その脱ぎっぷりに相変わらずドキドキです。
- 絶対領域の妙! 侮れぬな、19世紀(笑)!
- 伏線→モビーディック口内の銛。これが活かれるストーリーがまた熱くて巧いんだ……!