第11話「純正律」
一之瀬カズネのコンサートに行ったミナモはカズネ本人から久島へバイオリンを返すよう頼まれる。カズネに何度も招待されながら一度も来なかった久島を説得しようとしたミナモだったが……。
第一感想
こういう時、音楽をやってない人間って駄目ね……orz
文字なんて無力だ。絵とか音楽とかボードゲームとか、言語関係無いジャンルこそが真理に近づける唯一のジャンルよナァ。
以下感想。
才能とは?
純正律と言う非常に困難な技術を十代にすでにこなし、天才的な能力を発揮していた久島。しかし彼はあっさりとバイオリンの世界から身を引き、その後関わる事は無かった。
久島にとって純正律とは困難な技術であり、それが達成できればそれで満足してしまった。音楽とは、久島にとって人生をかけて追求するべきものではなかった。
作中でも語られたが、円周率のように延々と数列を並べていく作業は、もはや常人には何の意味も見出す事も出来ない。それは3.14さえ「3」に取って代わられようとしている現実を見ればいわずもがな、だ。
だがこの世のあらゆる才能と言うものは、常人にとって「無意味」「無価値」と呼ばれるものを追求していく事に他ならないのかも知れない。
それはまさに「愛」や「執着」「情熱」と言った単語で表される他ないものだろう。
一般に語られるように、職業・技能に対する先天的な「適正」など、愛の無い人間の言い訳なのかも知れない。それでも久島が「この世に愛の無い人間などいない」と語っている事は、彼がメタルと通じて人間/地球と言う存在を愛しているから。そう思えてならない。
限られた時間
今回のエピソードでは同時に、波留に残された時間が短いと言う事が明示された。電脳化しているとはいえ、設定ではもう八一。なるほど、彼に残された時間は確かに少ない。
次回のエピソードで大体の折り返し。いくつかの妨害、そして書記長の他に、時間が残り少ない事も明かされた。波留がたどり着く地球律とは、果たしてどのような姿を見せるのか。