第10話「至高の話手」

 ミナモの通う学校でメタルの中によく当たると評判の占い師がいる事が明らかになっていた。その名はエライザ。しかしそのエライザと接触した人間から会話中の記憶が欠損すると言う事が分かり、電理研がその正体を探るため調査を始めていた。
 時を同じくして、波留もメタルでエライザと名乗る相手と会話に興じていた。

第一感想

 ソウタは一体どんな方法で集中力を逸らされたと言うのか……。後学のため、ぜひ一度教えて欲しい(ヲイ)。
 以下感想。

まず始めにどうでもいい事から

○○系」を連発する店の店長がウザイwww

エライザと波留

 その正体はAIだった。言葉を使ってコミュニケートする人間を「言語」と言う概念から理解しようとしていた人工知能。そんな人工知能は何かに興味を持つ同士としての波留へ興味を持ち、彼との会話を始めた。
 波留とエライザの会話は、決して騒々しいものでもなく、学者のように学術的に固いものでもなく、むしろ哲学者/賢者然とした静香で深いものになっていたのが印象に残る。

水と振動

 この地球は七:三で海の比率が高い。それは人間も同様であり、また他の生物も五割が水分で構成されている。命は水と同義。そして波は振動であり、それはあらゆる場で観測される。
 ならば海としてのメタルはそれそれものが命であり、ある種、何かの生物として例える事も的外れではない。
 だがあらゆる生物には情動が存在し、それこそが人間と他の生物を分かつものでもある。
 ダイブしたミナモが強い情動で不可能と思われた波留の発見を可能にしたように、それは「言語」以上の人間同士のつながりの象徴だった。
 そして新たな対話の場にエライザは海を求めた。
「地球律」を求める波留、久島達のある種の同士とも言えるが、まったく別の方向からそれを模索しているのは間違いない。だがそれは、人間に夢を見せるのではなく、自分で夢を見る行為だ。
 エライザは対話の相手を地球そのものに求めた事で、生命として自立した存在になったのかも知れない。

次回は

 久島が珍しく困り顔?