久正人『ジャバウォッキー(4)』
- 作者: 久正人
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/03/21
- メディア: コミック
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今巻から収録された作品が雑誌からWEBにシフト。そのせいか、全体的に分量が変化しているのが特徴か。
以下感想。
ONE FOR THE ROAD 故郷への長い道
このシリーズでは、ロンドンが舞台に。リリーの帰郷と、ロンドンと言う歴史ある街の地下に隠れ住む恐竜と、この作品独特の魅力溢れる一作。
ミステリー
今回はこの切り裂きジャックが何者なのか? と言う事が一つの大きな謎になっている。
サバタのようなオヴィラプトルの卵喰いの汚名に始まり、今回の恐竜の闘争化石の被害者/加害者の構図の逆転など、「当たり前」の構図を疑うレベルの高いミステリーだ。
そのせいか、D・H(坂本龍馬)がライヘンバッハの滝に沈んだと思われたあの世界的頭脳をモラン大佐から守る、と言う別任務を帯びている。
もちろんあの名探偵の事で、フィクションとノンフィクションの入り混じる本作ならではの特色だ。
MATCH/POMP マッチポンプ(1)
ストーリー
ヨーロッパで暗躍する謎の男・サックスマン。彼は「たった一発の狙撃で地球上全ての恐竜を殺す」と計画を進めているという情報をつかんだイフの城は、資金提供者のアングレームの屋敷を訪れるが……。
D・H
本作品では、坂本龍馬はコードネームD・H(ドラゴン・ホース=龍馬)としてイフの城に参加している。おまけにサバタの師匠として、遺憾なくリリーの前でウザいところを披露www
格好いいけど、さすがに意味が無いなあ。
アングレームと黄燐マッチ
今回のエピソードを語るにはこの一人と一つを語らなければ意味が無い。
アングレームは個性的なキャラクター揃いの本作の中でも特に強烈なヤツで、オカマで恐竜嫌い、そんな性格がすっ飛んでしまうほどエキセントリックさを発揮している。
そんな彼が手を出して失敗したのが黄燐マッチ。黄燐は自然発火しやすい上に人体に有毒で、安全マッチが発売されるや否や各国で販売禁止となってしまったと言う、まさに歴史の悲劇。
そんな悲劇的マッチに手を出して酷い目にあったにも関わらず、アングレームは恐竜狙撃に資金提供。しかしその狙撃の目標は、この念だ、世界で一番人が溢れかえっている場所――パリ万博会場だった!
まさかの人間狙撃計画の犯人は、果たして何者か。待て、しかして希望せよ! ってな感じで次回へ続く!