『Power Rangers Jungle Fury』感想その2「海を渡った五毒拳」

アメリカ版『獣拳戦隊ゲキレンジャー』感想その2。

 相も変わらず「怪しい」カンフーアクションとケレン味溢れる映像で『ゲキレンジャー』(と言うか、日本の特撮作品)に慣れた視聴者を楽しませてくれる『Power Rangers Jungle Fury』。
 でもところどころツメが甘いと言うか「そこをどうして編集しておかないの!?」と、痒い所に手が届かないような、食玩のシークレッドだけがダブってしまったようなもどかしい所が無きにしも非ずw
 まぁそんな事は置いといて、第二回感想は『ゲキレンジャー』本編で敵味方問わずに暴れまわった五毒拳達の感想!
 ……しかし、元ネタとなった『五毒拳』自体海を渡ってきた作品なんだから、このタイトルってよくよく考えるとおかしくないだろうか(苦笑)?

ダイ・シのネーミングって?

 余談ながら、ダイ・シ=アメリカ版・理央の事。
 このダイ・シのネーミングの由来だが、これがどこかで「Die」+「死」ダイ・シ(Dai Shi)である、と書かれていたのを目にした。
 だが、これはどうだろう? と首を傾げたくなる。アメリカ人が使う漢字ってその意味をちゃんと理解していないように感じられるのだが(偏見です)。アメコミに漢字由来のネーミングのキャラがいたが、それも酷いものだった……(遠い目)。
 そんな事はどうでもいいとして以下感想!

五毒拳、アメリカ版の名称

 日本版での名称はそれぞれ流派+モチーフとなった動物のアナグラムだったが、アメリカ版では基本・流派と言う概念が無いので、それぞれアメリカ版の名称のみ。

臨獣センチピード拳のカデム→Rantipede 
臨獣ゲッコー拳のモリヤ→Gakko
臨獣スコーピオン拳のソリサ→Stingeralla 
臨獣トード拳のマガ→Toady
臨獣スネーク拳のブラコ→Naja

「五毒拳」と言う名称も「Five Fingers of Poison」に変更されている。直訳すると「毒の五本指」? 「Dai Shi's Elite Force」と言う名称も相まって、俄かに強そうな雰囲気を漂わせている(いや、日本版でもエリート的チームだったわけだが)。
 まぁ、強さや人間(獣人?)関係が悪い事、そしてダイ・シに反旗を翻す事などを含めて、日本版と末路は変わらないわけだが(笑)。

五毒拳、戦いの軌跡

 基本的に日本版のストーリーを下敷きにしているので、戦う順番や末路は基本的に変わらない。

全員登場編

 Five Fingers of Poison全員登場編。
 ここで一番注目すべき所は、ダイ・シの登場シーンだ。日本版では五毒拳全員による人間椅子で理央をお出迎えだったが、アメリカ版では何故か四人ぐらいが肩に乗り、人間タワーを作ってお出迎えだ。
 な、何でタワー?! 別に椅子でいいのでは!?
 椅子じゃいけない理由がよく判らないのだが、これはより危険度の高いタワーを作る事で、ダイ・シの強さを表現したかったのだろうか? 違う意味でハラハラしかしなかったが。

Naja(カデム)編

 こちらは日本版の修行その4と5をまとめて一話として構成しているので、展開が早い早い。が、カデムとの千拳万打対決は削られていた。いかにも少年漫画過ぎると判断されたようだ。

モリヤ(Gakko)編

 こちらは修行その6ベースのエピソード。日本ではモリヤは壁面に立って「私の世界だ!」などと言っていたキャラだったが、アメリカのGakkoも「My world!」とか叫んでたので吹いたwwwww
 お前、言ってる事同じじゃねーか!

ソリサ、マガ(Stingeralla,Toady)編

 修行その7、8の両エピソードを一つのエピソードとしてまとめているため、ゲキレンジャーがダンスで敗北→ダンス修行→Stingerallaに勝利→Toadyに敗北→ゲキバズーカ(アメリカ版では「Claw Cannon」に変更)修行→Stingeralla,Toadyと再戦、勝利。と、非常に忙しないものになっている。
 ……つまり、Stingeralla,Toadyの二人のカップル成立→デレ期→破局の流れも非常に忙しないw
I love you!
とかラブラブモード炸裂だったのに、たった三〇分足らずであっという間に破局。思わず頭を抱えてしまうほどToadyが気の毒だった。

ブラコ(Naja)+Naja(カデム)・モリヤ(Gakko)編

 日本版と変わらず、ダイ・シに反旗を翻す事になるNaja。カミーラと繰り広げる両者のカンフーアクションは見ものだ。と言うか、カミーラが特にラブウォリアーってわけではないので、そこに注目するしかないのだ(ヲイ)。でもダイ・シがカミーラの事を「My Favorite」なんて言ったのにはキュンッとさせられたがw
 Najaにも真毒=Life Talon (直訳すると「命の鉤爪」)が存在し、これを使ってNaja・Gakkoを復活させ、同時にカミーラを誘惑する。だが日本版同様Life Talonはカミーラに奪われ、Najaもその命を散らすのだった。

五毒拳、その末路

 末路って結局、日本版同様、皆やられてんじゃんwwww
 しかし「やられた」と言う結果は同じであれど、日本版とアメリカ版ではその過程や動機はずいぶん違っている。
 日本版では理央が真毒を手にするために、半ば確信犯的に五毒拳を出撃させていたわけ。だがアメリカ版ではダイ・シに恐怖と悲鳴のエネルギーを供給するために出撃したため、その死はダイ・シにとって不本意なものであったようだ。
 そしてダイ・シの手に渡った=Life Talonは拳魔達(アメリカ版ではOverlords)を復活させるためのアイテムとして使用される事になる。
 次回からは、ついに師匠達が登場する『Power Rangers Jungle Fury』。個性的な師匠揃いだったので、アメリカ版ではどうキャラクター付けされるのかが楽しみだ。