第十九話「巫女の帰郷」

 いつになく静かなアストラル。それはみかんが猫屋敷と共に実家の葛城家に帰郷したからだ。しかし突然、何かを訴えるように鳴きだす白虎。異常を感じたいつきは葛城家に電話をかけるが、返事は「みかんは返さない。猫屋敷は行方不明」と言うものだった。事の真相を確かめ、みかんを連れ戻すためにいつきと穂波は葛城家へと向かうが……。




 今回はストーリーの密度、アクションのクオリティ両方高く、息を呑んだ二五分。上下巻である原作『鬼の祭りと魔法使い』をそれぞれ三十分に納めているのだからそれも当然か。
 これまでは海外魔術が多く登場していた本作も、今回はいよいよ日本の魔術が登場。暗い山々に囲まれた閉塞感に溢れた空間。死と恨みが折り重なった土地。そして血縁が形作る人間関係……。いやぁ、非常に日本的だなぁ、と呑気な感想を言うのも的外れか。
 OPも英語版に戻り、二クール目も後半戦に。




 幽閉されたみかん。行方不明の猫屋敷さん……。キャッチーな状況からは始まった今週のエピソード。
 みかんの祖母から提示された「鬼退治」を完遂し、みかんを取り戻そうとするいつき達。
 今週はいつき、穂波共にアクションが冴えに冴えてて見応えがあった。特にいつきの成長は著しい。社長業より一生懸命やっている拳法の修行が、ここ最近すっかり板についてきたように思える。穂波をかばって拳を繰り出すシーンなんて鳥肌もの。いっちゃん最高! 
 穂波の箒さばきも今週は尋常ではない。どこの「板野サーカス!?」と言わんばかりの高機動。箒であんな飛行されたら、科学の立つ瀬が無いな(苦笑)。




 消息不明となっていた猫屋敷さんは、もう、期待を裏切らない面白登場wwwww
 消息不明の真相は「みかんの姉・香を誘拐して隠れていた」からでした(笑)。本当はもっと驚くところなのに、猫屋敷さんのキャラクターのせいで不謹慎ながら笑い話にしか感じられない(ヲイ)。
 実際に控えていた重たい事情。鬼を利用する葛城家の祭り。みかんはその祭りに捧げられた人柱だった。香は妹を守るため、祭りの開始を遅らせるために猫屋敷さんに頼んで結界の中に隠れていたのだ。だが、それみかんの祖母の策略で水泡に帰す。いつき達をレンタルしたのは、パスをつないで祭りを始めるためだった。
 ついに始まってしまう祭り。
 今回のエピソードの肝とも言えるこれは、本来魂を鎮めるの祭り(地鎮祭なんが代表的か)に対し、葛城家の祭りはその逆。荒ぶる鬼を利用し、当主に取り込ませる事で力を高める非道の祭り。怨みに満ちた鬼すら利用するシステム。これまで登場した利己的とも取れる魔法使いの理屈の中でもとびきり酷い。いつきはみかんを助ける事はできるのか!?――と、かなり今回はハードな展開に。
 いつもは魔物単体、または個人だったりした戦いだったが、今回は神道のトップに立つ名家が代々続けてきたと言う伝統が相手。
 才能・血統の前に個人の意思など関係ない――そんな魔法使いの世界の理屈に、いっちゃんの拳で風穴開けてくれ(番組違う?)!




 次回は後編。み、みかんが蜜柑の被り物してるー!?